平成29年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問19を解説|水試料の大容量捕集の並び順
平成29年度 ダイオキシン類特論 問19は、水をたくさん通してダイオキシン類を集める装置の内部が、どんな順番で並んでいるのかを問う穴埋め問題です。図の四つの空欄に入る語の並びを選びます。
この問題のポイント
この装置は、水を容器に汲んで持ち帰る代わりに、現場で大量の水を装置に通し、目的物質だけを装置内に残して回収する仕組みです。だから並び順には二つの原則が働きます。ひとつは捕らえる部品を必ず動力源より手前に置くこと、もうひとつは水に浮いている分と溶けている分を、この順番で分けて取ることです。選択肢はどれも同じ四部品の並べ替えなので、この二つの原則を当てはめれば一本に定まります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(1)
各選択肢の正誤
| 空欄 | 入る語句 | 読み解き |
|---|---|---|
| ア | フィルター | 最初に浮いている粒を止めます。ここを後回しにすると次の部品がすぐ詰まります。 |
| イ | 吸着剤 | 粒を取り去った水から、溶けている分を樹脂に吸わせて集めます。 |
| ウ | 流量測定部 | 通した水の体積を数えます。この値が濃度計算の分母になります。 |
| エ | ポンプ | 最後に置く動力源。捕らえる部品を通り抜けた後の水だけが触れます。 |
ここが分かれ目
まず動力源の位置です。ポンプの内部には羽根車や軸受があり、油やグリースが使われます。ダイオキシン類は油になじみやすい性質を持つので、試料水を先にポンプへ通すと、目的物質がポンプの内部に持って行かれて失われ、逆に前の測定の残りが混ざり込むおそれもあります。捕らえる部品を上流に置き、用の済んだ水だけをポンプに通す。これが順番を決める第一の理由です。
次に、ろ材と吸着剤の前後関係です。水の中のダイオキシン類は、浮いている粒に付いた分と、水に溶けている分とに分かれます。前者ははるかに多く、後者はごくわずかです。もし吸着剤を先に置けば、粒がそこで詰まって水が流れなくなり、大量の水を通すという目的そのものが果たせません。ろ材で粒を先に受け止め、澄んだ水を吸着剤に送るのが理にかなった順序です。分析でも両者をそれぞれ処理し、合わせて濃度を出します。
最後に流量を数える部品ですが、これは捕らえる部品の後、ポンプの手前に置かれます。通した水の体積を取り違えると、濃度そのものが同じ倍率で狂います。装置が集めた量は変わらないのに報告値だけがずれる形になるので、流量の記録は測定結果の根幹です。この構成を頭に入れておくと、排ガス側の採取装置も同じ思想で組まれていることが見えてきます。捕集部が先、流量計とポンプが後、という並びは共通しています。
覚え方
- 捕らえる部品は動力源より必ず手前。ポンプの油に持って行かれない。
- 浮いている分が先、溶けている分が後。ろ材のあとに吸着剤。
- 吸着剤を先頭に置く並びは、詰まりを招くのでありえない。
- 流量計は捕集部の後・ポンプの手前。数えた体積が濃度の分母になる。
- 排ガスの採取装置も同じ並び。捕集部が先、流量計とポンプが後。
理解度チェック
ポンプを装置の最後に置くのはなぜですか。
油になじみやすい目的物質がポンプ内部に取られたり、汚染が持ち込まれたりするのを避けるためです。用の済んだ水だけを通します。
吸着剤よりろ材を先に置く理由を二つ挙げてください。
浮いている粒で吸着剤が詰まるのを防ぐためと、粒に付いた分と溶けている分を分けて扱うためです。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「平成29年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF)
- JIS K 0312「工業用水・工場排水中のダイオキシン類の測定方法」(大容量の水試料を捕集する装置の並び)
※ この記事の確認日:2026年7月