平成29年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問12を解説|排水処理の三段階の役割分担
平成29年度 ダイオキシン類特論 問12は、排水を段階に分けて処理するときに、それぞれの段で使う手法を埋める組合せ問題です。正しいものを選びます。
この問題のポイント
段の分け方は、相手にする汚れの姿の順番と一致します。まず、水より重くて自然に沈む固まりを落とし、次に、水に溶けたり細かく散らばったりしている有機物を生きものの力で食べさせ、最後に、それでも残った分をつかまえます。段が進むほど相手は細かくなり、手法は手間のかかるものになります。分かれ目は、生きものを使う手法をどの段に置くかです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)
各選択肢の正誤
| 空欄 | 入る語句 | 読み解き |
|---|---|---|
| ア | 沈降分離 | 重力に任せて固まりを底へ落とす、いちばん手数の少ない操作です。ここで沈むものを落としておかないと、後ろの段が過大な負担を負います。 |
| イ | 活性汚泥法 | 微生物の集まりに有機物を食べさせて分解する操作です。段の呼び名でいう二つ目は、この生物による処理を指すのが定石です。 |
| ウ | 活性炭吸着 | 生物による処理を抜けて残った有機物や、水に溶けた状態のダイオキシン類を、細かい穴の内側へ吸い付けて取り除きます。仕上げの段にふさわしい手法です。 |
ここが分かれ目
いちばんの分かれ目は、生きものを使う手法を先頭に置く組合せに引っかからないことです。微生物は水に溶けた有機物を相手にする働き手ですから、沈むはずの固まりが大量に流れ込んでくる場所には置けません。沈むものを先に落とすのが、後ろを守るための順番です。先頭に置けるのは、重力に任せる沈降や、気泡で浮かせて掬う操作のような、動力も薬剤も少なくて済む物理的な手段に限られます。
二つ目の分かれ目は、仕上げの段に何を置くかです。ここで狙うのは、生物による処理でも分解されずに残った有機物と、水に溶けたまま残っているダイオキシン類です。ダイオキシン類は水に溶けにくく、多くは固まりに付いた形で沈降や凝集の段で除かれますが、ごくわずかに溶けた分が残ります。この残りを相手にできるのは、細かい穴の内側へ吸い付ける手法です。浮かせて掬う操作を仕上げに置く組合せは、相手にする汚れの細かさが段違いで、この位置には収まりません。
段の呼び名は、装置の名前ではなく相手にする汚れの細かさの順番を表していると理解しておけば、初めて見る組合せでも並べ替えられます。
覚え方
- 一つ目は物理、二つ目は生物、三つ目は仕上げ。粗いものから順に落とす。
- 沈むものを先に落とすのは、生物による処理を守るため。
- 水に溶けた状態のダイオキシン類を相手にできるのは、吸着の段。
- 浮かせて掬う操作は前段の手法。仕上げには置かない。
- 段の呼び名は装置名ではなく、汚れの細かさの順番。
理解度チェック
生物による処理の前に沈降の操作を置くのはなぜですか。
沈む固まりで微生物の場が埋まってしまうからです。先に落として負担を減らします。
水に溶けた状態のダイオキシン類は、どの段で除かれますか。
仕上げの段の吸着です。細かい穴の内側へ吸い付けて取り除きます。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「平成29年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月