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平成29年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問11を解説|アルミニウム溶湯の脱ガスと除去対象

平成29年度 ダイオキシン類特論 問11は、軽金属の合金をつくる溶解の工程で、溶けた金属から何を取り除き、そのために何を使うかを述べた短い文の正誤問題です。下線を引いた五か所から、誤っているものを選びます。

この問題のポイント

溶けた金属をきれいにする操作は、気泡を吹き込むことと塩の力を借りることの二本立てです。気泡が運び出せるのは、溶け込んだ気体と、気泡の表面に付いて浮き上がる固体の粒。塩の力で動かせるのは、母材より塩素と結び付きやすい活きのよい金属です。引っかけの核心は、取り除く対象として並べられた気体の名前にあります。吹き込む側の気体と、追い出される側の気体が入れ替えられています。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(1)(誤っている記述)

各選択肢の正誤

下線語句読み解き
(1)窒素×(誤り) 溶けた軽金属に入り込んで悩ましいのは水素です。窒素はむしろ、その水素を運び出すために吹き込む側の気体にあたります。
(2)アルカリ土類母材より塩素と結び付きやすい金属で、塩化物に変えて浮きかす側へ移せます。
(3)30 %程度粉状の薬剤が持つ塩素分の目安として示される水準です。
(4)粉体粉のまま溶湯へ投入して使う形で、浮きかすを扱いやすくまとめる働きも担います。
(5)塩素ガス気泡として吹き込むことで、水素を運び出しながら活きのよい金属を塩化物に変えます。

下線(1)のポイント(ここが誤り)

溶けた軽金属に溶け込む気体として問題になるのは水素です。高温の溶湯は水素をよく溶かし込みますが、固まるときには溶かしておける量が急に減ります。行き場を失った水素は気泡となって内部に残り、鋳物の中に空洞をつくって強度を落とします。だからこそ、固める前に水素を追い出す操作が欠かせません。窒素はこの母材にはほとんど溶け込まず、追い出すべき相手にはなりません。

追い出し方の仕組みを見れば、窒素の立ち位置がはっきりします。溶湯の底から気泡を吹き込むと、気泡の中は水素がほとんど無い状態ですから、まわりの溶湯に溶けていた水素が気泡の中へ移ってきます。気泡は水素を抱えたまま浮き上がって抜けていきます。この運び役の気泡として使われるのが、母材と反応しない気体、すなわち窒素やアルゴンです。窒素は取り除かれる側ではなく、取り除くために送り込む側だと押さえれば、この下線が浮き上がります。

なお、この工程がダイオキシン類の話題に登場するのは、塩素を高温の場に供給するからです。原料となる金属くずには塗装や樹脂が付いてきますから、有機分と塩素と金属が同じ場所で高温にさらされることになります。

覚え方

  • 溶湯から抜くのは水素・非金属の介在物・活きのよい金属。窒素は抜く相手ではない。
  • 窒素やアルゴンは、水素を運び出すために吹き込む側の気体。
  • 溶けた水素は固まるときに空洞をつくる。だから固める前に抜く。
  • 塩素と結び付く力が母材より強い元素だけが、塩化物になって分かれる。
  • 塩素を使う高温の工程は、有機分が混ざればそのまま生成の場になる。

理解度チェック

Q.

溶けた軽金属から追い出したい気体は何ですか。

水素です。固まるときに気泡となって残り、内部に空洞をつくります。

Q.

窒素はこの工程でどんな役割をもちますか。

水素を運び出すために吹き込む気泡の気体です。取り除かれる側ではありません。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成29年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF