平成29年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問4を解説|コロナ放電とイオン風の向き
平成29年度 ダイオキシン類特論 問4は、高い電圧で粒子に電気を帯びさせて電極へ引き寄せる方式について、その成り立ちを順に述べた記述の正誤問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
細い電極と広い電極を向かい合わせ、細いほうに高い電圧をかけると、その周りだけ電界が極端に強くなって放電が始まります。生まれたイオンは電界に押されて広いほうの電極へ流れ、途中で出会った粒子にくっついて電気を帯びさせます。帯電した粒子も同じ向きの力を受け、電極の面に集まります。引っかけの核心は、この流れの向きを逆に述べた一文にあります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 細い電極で電界を集中させ、広く滑らかな電極で粒子を受け止めるという役割分担です。 |
| (2) | ○(正しい) | 負の側で放電させるほうが、火花が飛ぶまでの余裕が大きく安定して電流を流せるため、工業用ではこの向きが標準になります。 |
| (3) | ×(誤り) | イオンが押されて進む向きは、放電が起きている細い電極から、受け止める側の広い電極へと向かう向きです。気体もそれに引きずられて同じ向きに流れます。 |
| (4) | ○(正しい) | 電圧を上げすぎると電極の間が一気に導通し、そこから先は電圧を保てなくなります。運転はこの手前で行います。 |
| (5) | ○(正しい) | 放電で生まれた負のイオンが粒子に付着することで、粒子が電気を帯びます。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
放電で生まれたイオンには、電界から力が働きます。その向きは電極の間にできた電位の坂を下る向き、すなわち放電している細い電極から、受け止める側の電極へ向かう向きです。イオンは進みながら周りの気体分子に次々とぶつかり、運動量を渡していきます。その結果、気体全体がイオンと同じ向きにゆっくり流れます。これが電極の間に生じる気体の流れの正体です。放電している側へ向かって流れると述べた時点で、力の向きが反転してしまっています。
向きを取り違えると、装置の働きそのものが説明できなくなります。粒子はイオンをもらって同じ極性に帯電し、そのままイオンと同じ向きに引かれて受け止める面へ到達します。もし気体の流れが放電側に向かうのなら、帯電した粒子も放電側へ集まることになり、受け止める面が意味を失います。イオンの向き・気体の流れの向き・粒子が集まる向きは、すべて同じ一方通行です。ここを一本の線として覚えておけば、向きを入れ替えた出題に迷わなくなります。
覚え方
- 向きは一方通行。細い電極から広い電極へ、イオンも気体も粒子も進む。
- 細い電極は放電の担当、広く滑らかな電極は受け止めの担当。
- 工業用は負の側で放電させる。火花までの余裕が大きく安定するため。
- 電圧の上限は、電極の間が一気に導通する手前。
- 荷電の主役は、放電で生まれたイオンが粒子に付くこと。
理解度チェック
電極の間に生じる気体の流れは、どちら向きですか。
放電している細い電極から、受け止める側の電極へ向かう向きです。イオンが気体を引きずることで生じます。
なぜ負の側で放電させるのですか。
火花が飛ぶまでの余裕が大きく、安定して電流を流せるからです。工業用の装置ではこの向きが標準になっています。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「平成29年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月