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平成29年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問3を解説|見掛けろ過速度の意味と目安

平成29年度 ダイオキシン類特論 問3は、ろ過式の集じん装置でガスが布を通る平均の速さについて、その求め方・目安・大小の意味を述べた記述の正誤問題です。誤っているものを選びます。

この問題のポイント

この速さは、処理するガスの量を、布の有効な面積で割ることで得られます。装置にどれだけ余裕があるかを一目で示す数字です。値を大きくとれば同じ処理量でも装置は小さくて済みますが、そのぶんガスは布を勢いよく通り抜けることになり、抵抗が増え、粉じんが繊維の奥へ押し込まれ、隙間からの吹き抜けも起きます。引っかけの核心は、通しにくい布ほど速く通せると読ませる向きの取り違えです。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(3)(誤っている記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
(1)○(正しい)求め方そのものです。面積で割るため、速さの単位で表されます。
(2)○(正しい)装置の余裕度を示す代表的な指標で、設計でも運転管理でも最初に見る数字になります。
(3)×(誤り)隙間の少ない布はガスを通しにくい相手です。同じ速さで通そうとすれば抵抗が跳ね上がるため、値は小さめにとらなければなりません。
(4)○(正しい)ゆっくり通すほど粉じんは表面で受け止められ、繊維の奥への押し込みや隙間からの吹き抜けが減ります。
(5)○(正しい)実際に使われる幅として示される値です。払い落としの方式や粉じんの性状によって、この幅の中を上下します。

選択肢(3)のポイント(ここが誤り)

隙間の割合が小さい布は、ガスの通り道が細く、しかも少ないということです。同じ量のガスを押し通そうとすれば通り道の中の流れは速くなり、抵抗は目に見えて跳ね上がります。送風機の負担が増え、消費する動力がそのまま増えます。そこで設計では逆向きに手を打ちます。布の面積を増やして一枚あたりに割り当てる量を減らし、通す速さを下げるのです。

速さを下げる理由はもうひとつあります。勢いよく押し込まれた粉じんは、表面に層をつくらずに繊維の内部へ入り込みます。いったん奥に入った粉じんは、振り落としても出てきません。抵抗が戻らなくなり、布の寿命が縮みます。また、縫い目や取り付け部にわずかな隙間があれば、押し込む力が強いほどそこを抜ける量が増えます。速く通すほど、目詰まりと捕り逃しの両方が悪化するという関係です。値を大きくとってよいのは、粗くて払い落としやすい粉じんを、目の粗い布で扱う場合に限られます。

覚え方

  • 見掛けろ過速度=処理ガス量÷有効ろ過面積。単位は速さになる。
  • 小さいほど安全側。大きいほど装置は小さくなるが、抵抗と捕り逃しが増える。
  • 通しにくい布には小さい値、通しやすい布には大きい値。
  • 奥へ押し込まれた粉じんは払い落としでは戻らない。
  • 装置を小さくしたい要求と、確実に捕りたい要求は正面から衝突する。

理解度チェック

Q.

見掛けろ過速度を大きくとると何が起きますか。

抵抗が増え、捕り逃しも増えます。装置は小さくできますが、粉じんが繊維の奥へ押し込まれ、隙間からの吹き抜けも増えます。

Q.

隙間の少ないろ布では、この速さをどう設定しますか。

小さめにとります。通しにくい相手なので、面積を広げて一枚あたりの負担を下げます。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成29年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF