平成29年度 公害防止管理者 大規模大気特論 問6を解説|プルームは解析解、差分は格子
平成29年度 大規模大気特論 問6は、大気中の拡散を計算するモデルをどう分類するかを示した図について、ア~ウに入る語句の正しい組合せを選ぶ問題です。
この問題のポイント
分類の骨格は単純で、式のまま解いて濃度が出せる系統と、空間や時間を刻んで計算機に解かせる系統の二本立てです。図では、差分モデルがぶら下がる枝と、プルームモデルがぶら下がる枝の親をそれぞれ言い当てることになります。分かれ目は、プルームモデルの親を統計と読んでしまうところにあります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(1)
空欄に入る正しい語句
| 空欄 | 語句 | 読み解き |
|---|---|---|
| ア | 数値解 | 下に二つの枝を従える側です。方程式を刻んで計算機に解かせる系統で、格子に区切る方法と、空気のかたまりの軌跡を追う流跡線の方法が並びます。 |
| イ | 解析解 | プルームモデルがぶら下がる側です。条件を絞って解いた式そのものに数値を入れれば濃度が出ます。 |
| ウ | 格子 | 差分モデルがぶら下がる側です。空間を細かい升目に区切り、隣り合う升目のやりとりを順に解いていきます。 |
ここが分かれ目
プルームモデルは、風速が一定で地形も平らといった条件を置いたうえで拡散方程式を解き、正規分布の形に書き下したものです。数値を代入すれば電卓でも濃度が出ます。だからこれは解析解の系統です。空欄イに統計を当てはめてしまうと、観測データから経験式を組み立てる別系統とごちゃ混ぜになり、プルームモデルの出自を取り違えることになります。
一方、風向や風速が場所ごとに変わり、途中で反応も起きるような状況は、式のまま書き下せません。そこで空間を升目に区切って隣どうしのやりとりを順に計算するか、空気のかたまりを一つずつ追いかけるかという手に出ます。前者が格子モデルで、その代表が差分モデル。後者が流跡線モデルです。この二つが並んでいるのだから、両者をくくる親は数値解でなければ辻褄が合いません。
空欄ウにパフや広域を入れる選択肢もありますが、いずれも階層が噛み合いません。パフモデルは瞬間的な放出を扱う解析解の仲間で、差分モデルを従える位置には来ません。広域という語に至っては解き方ではなく対象範囲を指す言葉で、分類の軸そのものが違います。
覚え方
- 解析解モデル=式に代入すれば濃度が出る。プルームとパフが代表。
- 数値解モデル=空間や時間を刻んで計算機で解く。格子(差分)と流跡線の二枝。
- 差分モデルの親は格子モデル、格子モデルの親は数値解モデル。三段で覚える。
- 統計は観測データから関係式を作る別系統。解き方の分類の枝に混ぜない。
理解度チェック
プルームモデルが解析解モデルに分類されるのはなぜですか。
風速一定などの条件を置いて拡散方程式を解き、正規分布の形の式として書き下してあるからです。数値を代入するだけで濃度が求まり、刻んで計算する手続きが要りません。
格子モデルと流跡線モデルは何が違うのですか。
格子モデルは空間を升目に区切って各升目の濃度変化を追います。流跡線モデルは空気のかたまりの軌跡を追いかけ、その中で起きる変化を計算します。どちらも計算機で解く数値解の系統です。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「平成29年度 公害防止管理者等国家試験 大規模大気特論 問題」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月