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平成29年度 公害防止管理者 大規模大気特論 問3を解説|沈降性逆転は高気圧の下降気流でできる

平成29年度 大規模大気特論 問3は、沈降性逆転がどのようにしてできるのかを問う正誤問題です。正しいものを選びます。

この問題のポイント

逆転層とは、上へ行くほど気温が高くなっている層のことです。できかたが何通りかあり、それぞれに名前が付いているので、名前と成因の対応を取り違えていないかが問われます。分かれ目は、沈降性という呼び名のとおり上空から空気が下りてくる動きが主役であること、そして下りた空気は押し縮められて暖まるという向きです。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(2)(正しい記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
(1)×(誤り)山を越えてきた気流が谷にたまった空気の上に乗り上げることで生じる型で、下降気流そのものが原因の沈降性とは成因が別です。
(2)○(正しい)高気圧の中では空気がゆっくり下りてきます。下るほど周りの気圧が高くなって押し縮められ、断熱的に温度が上がるため、上層が暖かい層になります。
(3)×(誤り)寒気の上に暖気が乗り上げる境目にできる前線性逆転の説明です。
(4)×(誤り)晴れた夜間から明け方に地表面が冷え込んでできる接地逆転(放射性逆転)の説明です。
(5)×(誤り)冷えた地表面の上へ暖気が流れ込むことでできる移流性逆転の説明です。

選択肢(2)のポイント(ここが正解)

高気圧の内部では、上空から地表へ向かうゆるやかな下降気流が続いています。空気のかたまりが下りていくと周囲の気圧が高くなるので押し縮められ、外から熱をもらわなくても温度が上がります。これが断熱昇温です。下降が続いた高さの空気だけが選択的に暖まるため、その下の層との間に上が暖かく下が冷たいという逆転した気温分布ができあがります。

逆転層は上下の混ざりをふさぐふたとして働きます。沈降性逆転は上空にできるうえ、高気圧に覆われている間は何日も続くことがあるため、地表から出た汚染物質が薄い層に閉じ込められて濃度が上がり続けるという事態を招きます。接地逆転が日が昇れば解消するのに対し、こちらは解消しにくいという点が、大気汚染の観点では重要です。

他の記述はどれも別の型の逆転の説明で、下降気流が出てこないのに沈降性と呼ぶことはできません。放射冷却なら地表付近、前線なら寒気と暖気の境目、暖気の流れ込みなら移流と、キーワードで機械的に振り分けられます。

覚え方

  • 沈降性逆転は高気圧の下降気流+断熱昇温。上空にできて長く続く。
  • 接地逆転は晴れた夜の放射冷却。地面付近にでき、日が昇れば消える。
  • 前線性逆転は寒気の上に暖気が乗る境目。移流性逆転は暖気が冷たい面へ流れ込む。
  • 逆転層は上下の混合を止めるふた。ふたが低く長く続くほど地上濃度は上がる

理解度チェック

Q.

下降してきた空気は、なぜ暖まるのですか。

下るほど周りの気圧が高くなって押し縮められるためです。外から熱をもらわなくても温度が上がるので断熱昇温と呼びます。逆に上昇する空気は膨らんで冷えます。

Q.

沈降性逆転が大気汚染の面で特に問題になるのはなぜですか。

高気圧に覆われている間は解消しにくく長く続くためです。上下の混ざりがふさがれた状態が何日も続けば、地表付近の汚染物質は逃げ場を失って蓄積します。

この問題に関連する用語解説

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成29年度 公害防止管理者等国家試験 大規模大気特論 問題」(公式PDF