平成30年度 公害防止管理者 ばいじん・粉じん特論 問7を解説|ダスト層の圧力損失
平成30年度 ばいじん・粉じん特論 問7は、ろ布の上に積もったダストの層が、どんなときにガスを通しにくくなるかを問う正誤問題です。圧力損失が大きくなる条件として誤っているものを選びます。
この問題のポイント
コゼニー・カルマンの式は、粒子が詰まった層をガスが通り抜けるときの抵抗を、層の状態とガスの条件から見積もる考え方です。この問題は式そのものを書かせるのではなく、各因子を増やしたときに抵抗が増える向きか減る向きかだけを問うています。分かれ目は粒子の粗さを表す量で、これだけは他の四つと向きが逆になります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(1)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | 比表面積径が大きい=粒子が粗いということなので、層の比表面積は小さくなり、圧力損失はむしろ小さくなります。大きくなる条件ではありません。 |
| (2) | ○(正しい) | 空隙率が小さいほどガスの通り道が狭くなるので、圧力損失は大きくなります。正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | 層が厚いほど通り抜ける距離が長くなるので、圧力損失は大きくなります。正しい記述です。 |
| (4) | ○(正しい) | ガスの粘度が大きいほど流れにくくなるので、圧力損失は大きくなります。正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | ろ過速度が大きいほど同じ層をより速くガスが通ることになるので、圧力損失は大きくなります。正しい記述です。 |
選択肢(1)のポイント(ここが誤り)
この式で抵抗を生んでいるのは、ガスが触れる粒子の表面の総量です。同じ量のダストでも、細かい粒子を集めたほうが表面積の合計は大きくなり、ガスがこすれる面が増えるぶん通りにくくなります。逆に粗い粒子ばかりなら表面の総量は減り、ガスは抜けやすくなります。
比表面積径は、この表面の多さを粒子径に置き換えて表した量です。比表面積径が大きい=粒子が粗い=比表面積が小さいという対応になるので、比表面積径が大きくなると圧力損失は小さくなります。したがって「比表面積径が大きくなる」を圧力損失が大きくなる条件として挙げるのは誤りです。
残りの四つは、通り道の狭さ(空隙率)、通る距離(層の厚さ)、流体の流れにくさ(粘度)、通す速さ(ろ過速度)で、いずれも増やせば抵抗が増える向きにそろっています。粒子径だけが逆向きという点を押さえておけば、式を思い出さなくても選べます。
覚え方
- 層を通る抵抗の正体はガスが触れる表面の総量。表面が増える条件=抵抗が増える条件。
- 粒子が細かいほど表面の総量は増える。細かい=詰まりやすい、粗い=抜けやすい。
- 比表面積径が大きい=粗い=比表面積が小さい。名前と中身が逆向きに感じる量なので要注意。
- 空隙率・厚さ・粘度・ろ過速度は素直な向き。狭い・長い・流れにくい・速いほど抵抗は増える。
- 圧力損失の問題は式を書かず、因子ごとに「増やしたら通りやすくなるか」で判断する。
理解度チェック
ダストの比表面積径が大きくなると、ダスト層の圧力損失はどうなるか。
小さくなります。比表面積径が大きいことは粒子が粗いことを意味し、層の比表面積が小さくなるため、ガスは通りやすくなります。
ダスト層の空隙率が小さくなると、圧力損失はどちらに動くか。
大きくなります。すき間が減ってガスの通り道が狭くなるためです。層の厚さ・ガスの粘度・ろ過速度も、大きくなれば圧力損失を増やす向きに働きます。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 ばいじん・粉じん特論 問題」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月