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平成29年度 公害防止管理者 ばいじん・粉じん特論 問14を解説|等速吸引からずれたとき

平成29年度 ばいじん・粉じん特論 問14は、吸い込む速さや向きが理想からずれたときに測定濃度がどちらへ振れるかを問う穴埋め(組合せ)問題です。正しい組合せを選びます。

この問題のポイント

ダスト濃度を正しく測るには、ダクトの中を流れるガスと同じ速さでノズルに吸い込む必要があります。この問題は、その条件が崩れた3つの場面を並べ、それぞれ濃度が高く出るか低く出るかを埋めさせます。三か所ばらばらに暗記する必要はありません。粒子は慣性で直進し、ガスだけが向きを変えるという一つの絵が描ければ、三つとも同じ理屈で決まります。逆に「吸う量が少ないのだから採れる量も少ない」と量の感覚で考えると、最初の空欄から取り違えます。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(2)

各選択肢の正誤

空欄語句読み解き
大きく吸い込みが追いつかないと、ガスはノズルの手前で脇へ逃げます。重い粒子はその流れに乗れず直進して入るため、粒子だけが余分に集まります。
大きく慣性は粒子が大きいほど強く働きます。流れに乗れない度合いが増すぶん、真の値からの開きも広がります。
小さく速さが合っていても口が横を向いていれば、直進してくる粒子は開口を素通りします。取り込める粒子が減り、値は低く出ます。

ここが分かれ目

最初の空欄でつまずく人の多くは、吸う速さが足りない=採れる量も少ない=濃度も低いと考えます。ところがここで比べているのは量ではなく、単位体積あたりの粒子の数です。吸い込みが遅いとき、ノズルの入口の前ではガスが減速し、入りきらないぶんは脇へ回り込みます。ガスは向きを変えられますが、質量を持つ粒子は簡単には曲がれず、まっすぐノズルへ突っ込みます。つまりガスは減り、粒子は減らない。割り算の分母だけが小さくなるので、濃度は高く出るわけです。

速すぎる場合はちょうど裏返しになります。周囲のガスまで余計に引き込むのに、脇にあった粒子は慣性で元の方向へ進み、ノズルには付いてきません。今度は分母だけが増えるので、濃度は低く出ます。吸引が遅ければ濃く、速ければ薄くと、原因と向きをセットで覚えておくと迷いません。

3つめは速さではなく向きの話ですが、原理は同じです。速さが合っていてもノズルが傾いていれば、ガスは曲がって管に入り、粒子は元の流れの向きへ直進して開口の縁にぶつかるか、脇を通り過ぎます。入ってくるガスの量は変わらないのに、粒子だけが取りこぼされるため、値は低く出ます。そして2つめの空欄が示すとおり、これらのずれは粒子が大きいほど拡大します。ガスとほとんど同じ動きをする細かい粒子ばかりなら誤差は小さく、粗い粒子が多いほど、吸引条件の管理が効いてきます。

覚え方

  • 粒子は慣性で直進、ガスだけが曲がる。この一枚の絵で3つの空欄がすべて決まる。
  • 吸引が遅ければ濃く出て、速ければ薄く出る。動くのは分母のガスのほうだと考える。
  • 向きが傾けば、速さが合っていても薄く出る。粒子が開口を素通りするため。
  • ずれの大きさは粒径で決まる。大きい粒子ほど誤差が広がり、細かい粒子ほど誤差は小さい。
  • 量の感覚で考えない。測っているのは採れた量ではなく、単位体積あたりの数。

理解度チェック

Q.

吸い込む速さが排ガスの流速より遅いと、測定濃度はどちらへ振れるか。

高く出ます。入りきらないガスは脇へ逃げますが、粒子は慣性で直進してノズルに入るため、粒子だけが余分に集まります。

Q.

速さが合っていても、ノズルが横を向いているとどうなるか。

低く出ます。粒子は元の流れの向きへ直進するため、傾いた開口を素通りして取りこぼされます。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成29年度 公害防止管理者等国家試験 ばいじん・粉じん特論 問題・正解」(公式PDF