平成29年度 公害防止管理者 ばいじん・粉じん特論 問10を解説|停止の順序(つち打ちは最後まで)
平成29年度 ばいじん・粉じん特論 問10は、電気集じん装置を立ち上げてから止めるまでの操作の順序に関する正誤問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
電気集じん装置は高い電圧を掛けて使う装置なので、どの操作をどの順に行うかが決まっています。この問題は、湿気を飛ばしてから電気を入れる立ち上げ側の手順と、ガスを止めてから電気を切る停止側の手順を並べ、最後の一つだけ後片付けの止め時を前倒しにしています。電気を切った瞬間に装置の中が空になるわけではない、という当たり前を思い出せるかどうかが分かれ目です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 電極を支える絶縁部が湿ったままだと高い電圧を保てないため、ガスを通す前に乾かしておくのが正しい順です。 |
| (2) | ○(正しい) | 乾いたかどうかは感覚ではなく、高圧側の絶縁抵抗を測って数値で確かめます。 |
| (3) | ○(正しい) | 乾燥を確認できてから放電を始めます。電気を入れるのは立ち上げの最後です。 |
| (4) | ○(正しい) | 止めるときはガスを先に断ち、装置内にダストが入ってこなくなってから電気を落とします。 |
| (5) | ×(誤り) | 電極をたたく装置は、電気を落とした後もしばらく動かし続けます。これが正解です。 |
選択肢(5)のポイント(ここが誤り)
電極に付いたダストは、ハンマーで機械的にたたいて落とします。電気を切ったとき、電極の上にはまだ捕らえたばかりのダストが層になって残っています。ここでたたく装置まで同時に止めてしまうと、ダストを載せたまま装置が冷えて休止に入ることになります。残ったダストは湿気を吸って固まりやすく、次に立ち上げたときには軽くたたいたくらいでは落ちません。落ちない層は電気の通り道の邪魔になり、集じん性能を下げ、異常な放電のきっかけにもなります。
正しい手順は、通電を止めたあともたたく動作を続け、電極上のダストを落としきってから止めることです。停止操作はガスを断つ→電気を切る→電極を空にして終わるという三段構えで、たたく装置はいちばん最後まで残ります。立ち上げ側が「乾かす→絶縁を確かめる→電気を入れる」で電気を最後に入れるのと、ちょうど対になっています。電気を入れるのは最後、切るのは先と押さえておくと、両方の順序を一度に思い出せます。
選択肢(1)と(2)がわざわざ乾燥の話から始まるのも、同じ発想です。絶縁部の表面が結露していると、そこを伝って電流が逃げ、狙った電圧が掛かりません。乾いたと目で見て判断せず、絶縁抵抗という数字で確かめてから電気を入れる。運転手順の問題は、順序に必ず理由があるという視点で読むと、丸暗記せずに正誤を判断できます。
覚え方
- 電気は最後に入れて、先に切る。立ち上げは乾燥と絶縁確認のあと、停止はガスを断ったあと。
- 電極をたたく装置は後片付け係。通電を切ってからも動かし、電極を空にしてから止める。
- 絶縁部に湿気は大敵。結露したまま電圧を掛けない。乾き具合は絶縁抵抗の数値で判断する。
- 「同時に止める」と書かれた運転手順は疑う。順序が書かれているときは、そこに必ず理由がある。
- ダストを載せたまま止めると、次の起動時に落ちない。固着させないのが停止操作の目的。
理解度チェック
停止するとき、電極の通電と、電極をたたく装置は、どちらを先に止めるか。
通電が先です。たたく装置はその後もしばらく動かし続け、電極上のダストを落としきってから止めます。
運転を始める前に絶縁部を乾かすのは何のためか。
湿気が残っていると表面を伝って電流が逃げ、必要な高電圧を保てないためです。異常な放電の原因にもなります。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「平成29年度 公害防止管理者等国家試験 ばいじん・粉じん特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月