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平成29年度 公害防止管理者 ばいじん・粉じん特論 問8を解説|コゼニー・カルマンの式

平成29年度 ばいじん・粉じん特論 問8は、ろ布の上に積もった粉の層を通すときの圧力の落ち方について、式の形を選ぶ問題です。正しいものを選びます。

この問題のポイント

5つの式は係数も並ぶ記号も同じで、違うのは3か所の指数だけです。すなわち、粒子の細かさを表す径が2乗か1乗か、すき間の割合が3乗か2乗か、そしてすき間の割合の残り分が1乗か2乗か。この3か所を順に決めれば式は一つに定まります。とりわけ最後の1点が曲者で、層の厚さで書いた形を覚えている人ほど、指数を1つ多く付けた式を選びやすいという仕掛けになっています。ここで与えられているのは厚さではなく、単位面積あたりにたまった粉の量だからです。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(2)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
(1)×径の2乗は合っていますが、すき間の割合が2乗になっています。ここは3乗でなければなりません。
(2)径は2乗で分母、すき間の割合は3乗で分母、その残り分は1乗で分子。3か所すべてが正しい形です。
(3)×すき間の割合の残り分が2乗になっています。層の厚さで書いた形を、そのまま持ち込んだ人の受け皿です。
(4)×径が1乗で、すき間の割合も2乗です。指数が2か所とも足りません。
(5)×すき間の割合は3乗で正しいものの、径が1乗です。細かい粉ほど詰まるという効きが弱く表れます。

ここが分かれ目

決め手は3か所です。順に押さえます。

ひとつ目は粒子の細かさを表す径です。細い管を流れる粘性流れでは、断面が細くなるほど抵抗が急に増えます。粉の層の中の通り道も同じで、粒子が細かいほど通り道が細くなり、抵抗は径の2乗に反比例して増えます。同じ量の粉でも、細かい粉のほうが圧力の落ち方は大きくなるわけです。1乗の式を選ぶと、この急な増え方が表現できません。

ふたつ目はすき間の割合です。ここは3乗で分母に入ります。すき間がわずかに減っただけで圧力の落ち方が跳ね上がるのは、この3乗のためです。払い落としが不十分で層が締まってくると運転圧が急に上がる、という現場の感覚は、この指数がそのまま表しています。

三つ目が本題のすき間の割合の残り分の指数です。粉が詰まった部分の割合を表すこの量は、層の厚さを使って書いた式では2乗で現れます。ところが今回与えられている量は厚さではなく、単位面積あたりにたまった粉の質量です。厚さは、この質量を粉の密度と詰まった部分の割合で割ったものになります。式に代入すると、分母から出てきた分と打ち消し合って、2乗だったものが1乗に減ります。2乗のまま残した式が誤答として置かれているのは、この乗り換えを踏まなかった人を拾うためです。

あとの記号は素直です。ガスが粘るほど、たまった粉が多いほど、ろ布を通す速さが速いほど圧力の落ち方は大きくなり、粉の密度が大きいほど同じ質量でも層は薄くなるので落ち方は小さくなります。分子と分母の顔ぶれは向きで確認でき、勝負は指数だけという構図です。

覚え方

  • 指数は径は2乗、すき間は3乗、残り分は1乗。この3点セットで式が決まる。
  • すき間の割合が3乗で分母=少し締まるだけで圧損が跳ね上がる。運転圧の急上昇はこれで説明できる。
  • 与えられたのが厚さかダスト負荷かを最初に見る。負荷で書けば残り分の指数は1つ減る。
  • 細かい粉ほど圧損が大きいのは径の2乗で効くから。同じ量でも粒が細かければ運転は重くなる。

理解度チェック

Q.

ダスト層のすき間の割合(空隙率)がわずかに下がっただけで、圧力損失が大きく増えるのはなぜですか。

空隙率が3乗で分母に入っているからです。すき間が少し詰まるだけで分母が急に小さくなり、圧力損失が跳ね上がります。

Q.

層の厚さではなくダスト負荷で式を書くと、空隙率の残り分の指数はどうなりますか。

2乗から1乗に減ります。厚さがダスト負荷を密度と残り分で割った形になるため、分母側の1乗と打ち消し合うためです。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成29年度 公害防止管理者等国家試験 ばいじん・粉じん特論 問題」(公式PDF