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平成29年度 公害防止管理者 ばいじん・粉じん特論 問7を解説|洗浄集じん装置の分離粒子径

平成29年度 ばいじん・粉じん特論 問7は、水を使って粒子を捕らえる方式を5つ並べ、細かい粒子への強さを比べる問題です。あてはまるものをひとつ選びます。

この問題のポイント

まず用語の向きを間違えないことです。ここで比べている指標はちょうど半分だけ捕らえられる粒子の大きさを表しており、この値が小さい装置ほど、より細かい粒子まで捕らえられる高性能な装置ということになります。値が小さい=性能が低い、と読んでしまうと答えが正反対になります。そのうえで、水を使う方式どうしの優劣はガスと液のぶつかる勢いをどれだけ稼げるかで決まり、それはそのまま必要な動力の大きさに跳ね返ります。性能と運転費が表裏一体になっている点が、この分野の一貫した理屈です。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(1)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
(1)絞り部でガスを一気に加速し、そこへ入れた水を細かく砕きます。ガスと液滴の速度差が最も大きく、この5つのなかで最も細かい粒子まで捕らえます。
(2)×詰め物の表面を伝う水膜に粒子を当てる方式で、ガスはゆるやかに通ります。捕らえられる下限の大きさは絞り部を持つ方式より大きくなります。
(3)×噴霧した水滴の中をガスが通るだけで、速度差の稼ぎ方がゆるい方式です。動力は小さく済みますが、細かい粒子は抜けます。
(4)×旋回の力を加えて水滴との接触を助ける方式です。噴霧だけの方式より有利ですが、絞り部で加速する方式には届きません。
(5)×軽い充塡物を浮遊させて接触の機会を増やす方式です。目詰まりに強い一方、速度差そのものは絞り部を持つ方式ほど大きくできません。

ここが分かれ目

この問題は、5つの装置名を丸暗記していなくても、どこで速度差を作っているかという一点で並べ替えられます。水で粒子を捕らえる仕組みの中心は、飛んでくる粒子が水滴を避けきれずにぶつかることです。粒子が小さいほど流れに沿って水滴をよけてしまうので、細かい粒子まで捕らえるには、よける暇を与えないほどの速度差が要ります。

絞りを設けてガスを一気に加速する方式は、まさにその速度差を最大化するために作られています。加速した流れの中に水を入れると、水はその場で細かい滴に砕かれます。小さな滴が高速で飛び交う場ができるので、細かい粒子ほど不利という前提を力ずくで押し返せるわけです。一方、詰め物の間をゆるやかに通す方式や、上から水を噴くだけの方式は、そこまでの速度差を作れません。

その代償が圧力損失です。絞りを通す以上、送風の動力は他方式より大きくなります。洗浄方式では、細かい粒子まで捕らえる力と必要な動力がほぼ一体で動きます。試験ではこの関係を逆にした記述、つまり「動力が小さいのに最も細かい粒子まで捕らえる」という都合のよい組合せが誤りとして出されます。ある方式だけが両方で優れている、という選択肢を見たら疑ってかかるのが定石です。

用語の向きにもう一度触れておきます。この指標はその大きさの粒子がちょうど半分だけ捕まる境目を示すもので、装置の得意な範囲の目印です。値が小さいほど、より小さい粒子まで半分以上捕らえられるという意味になります。「小さい=弱い」と直感で読むと、答えを正反対に選びます

覚え方

  • 分離粒子径は小さいほど高性能。半分捕らえられる境目が小さい=細かい粒子まで取れる。
  • 水で捕らえる力の源はガスと液滴の速度差。絞って加速する方式が最も稼げる。
  • 細かい粒子まで取れる方式は圧力損失も大きい。性能と動力はセットで動く。
  • 「動力が小さいのに最も細かい粒子まで取れる」という組合せはまず誤りと疑う。

理解度チェック

Q.

50%分離粒子径という指標が小さい装置とは、どういう装置ですか。

より細かい粒子まで捕らえられる装置です。この指標はちょうど半分だけ捕まる粒子の大きさを表すので、値が小さいほど得意な範囲が細かい側へ広がっていることになります。

Q.

水を使う方式で、細かい粒子まで捕らえようとすると何が犠牲になりますか。

圧力損失、つまり送風の動力です。ガスと液滴の速度差を大きくするほど粒子は捕らえやすくなりますが、そのぶん流れを絞る必要があり、運転費が増えます。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成29年度 公害防止管理者等国家試験 ばいじん・粉じん特論 問題」(公式PDF