平成29年度 公害防止管理者 ばいじん・粉じん特論 問2を解説|全集じん率の計算
平成29年度 ばいじん・粉じん特論 問2は、粒子径ごとの捕集の効き具合から装置全体の効きを求める計算問題です。数値をひとつ選びます。
この問題のポイント
集じん装置は、粗い粒子ほどよく捕まえ、細かい粒子ほど逃がします。そのため装置全体の効きは、粒子径ごとの効きをその粒子径が排ガス中に占める重さの割合で重み付けして足し合わせた値になります。表には粒子径・重さの割合・粒子径ごとの効きが並びますが、実は粒子径そのものは計算に使いません。使うのは割合と効きの2列だけです。分かれ目は、重みを無視して3つの値をそのまま平均してしまうかどうかで、そこに落ちるための選択肢がきちんと用意されています。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(94.0%)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | × | 92.3。重みを付けずに3つの値を単純に平均するとこの値になります。最も落ちやすい受け皿です。 |
| (2) | × | 93.0。正しく重み付けした値より低く、単純平均と正解の間に置かれた紛らわしい数字です。 |
| (3) | ○ | 94.0。重さの割合で重み付けして足した値と一致します。これが正解です。 |
| (4) | × | 95.0。加重して足した値より高く、粗い粒子の効きに引きずられた読みに対応する数字です。 |
| (5) | × | 96.0。3つの効きのうち最も高い値に近く、重みの偏りだけでは説明のつかない大きさです。 |
計算の手順
| 手順 | 内容 | 値 |
|---|---|---|
| 手順1 使う列を選ぶ | 表のうち計算に使うのは重さの割合と粒子径ごとの効きの2列だけ。粒子径の数値は、どれが粗くどれが細かいかを示すだけの情報です。 | 2列のみ |
| 手順2 1つ目を掛ける | 最も細かい粒子について、割合0.200と効き85.0%を掛けます。 | 17.0 |
| 手順3 2つ目を掛ける | 中間の粒子について、割合0.350と効き94.0%を掛けます。 | 32.9 |
| 手順4 3つ目を掛ける | 最も粗い粒子について、割合0.450と効き98.0%を掛けます。 | 44.1 |
| 手順5 足す | 手順2から手順4を合計します。割合の合計が1.000なので、これがそのまま装置全体の効きです。 | 94.0% |
ここが分かれ目
この問題の本体は、加重平均と単純平均の区別です。3つの効きをそのまま平均すると約92.3%となり、選択肢(1)にぴたりと着地します。数字が選択肢に載っているという理由で安心してしまうと、そのまま持っていかれます。
なぜ重みが要るのかは、装置が捕まえる相手が粒子の個数ではなく重さだと考えれば分かります。装置に入る粉体100のうち45を占める粗い粒子は、装置全体の成績に対して45の重みで効きます。20しか占めない細かい粒子が成績を引き下げる力は、その半分以下しかありません。重みを外すと、量の少ない粒子径の悪い成績を過大に評価してしまうわけです。
もう一つの安全装置が検算の目のつけどころです。加重して足した値は、必ず3つの効きの最小値と最大値の間に収まります。今回であれば85.0%より下や98.0%より上の答えは出得ません。さらに、重みが粗い粒子側に偏っているので、答えは3つの単純平均より高い側に寄ると読めます。この二段で候補は一気に絞れます。
覚え方
- 装置全体の効き=粒子径ごとの効きを重さの割合で加重平均。単純平均は必ず誤り。
- 表に粒子径が並んでいても、計算式には粒子径そのものは入らない。使うのは割合と効きだけ。
- 答えは最小の効きと最大の効きの間に必ず収まる。範囲外の選択肢は見た瞬間に消す。
- 重みが粗い粒子側に偏っていれば、答えは単純平均より高い側にずれる。ずれの向きで候補を絞る。
理解度チェック
粒子径ごとの捕集の効きが分かっているとき、装置全体の効きはどう計算しますか。
粒子径ごとの効きに、その粒子径が占める重さの割合を掛けて足し合わせます。割合の合計が1になっていれば、その和がそのまま装置全体の効きになります。
計算した装置全体の効きが、粒子径ごとの効きの最大値より大きくなりました。何が起きていますか。
計算違いです。加重平均の値は必ず最小値と最大値の間に入ります。割合を百分率のまま掛けて100で割り忘れた、といった取り違えが典型です。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「平成29年度 公害防止管理者等国家試験 ばいじん・粉じん特論 問題」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月