独学で学ぶ土地家屋調査士

独学で学ぶ土地家屋調査士
  1. HOME > 不動産登記法 > 表題部所有者と所有権の登記名義人の違い

表題部所有者と所有権の登記名義人の違い|表示登記と権利登記

この記事の要点

表題部所有者は、表題部(表示に関する登記)に記録された所有者で、まだ所有権の登記がされていない段階の所有者です。

所有権の登記名義人は、権利部(甲区)に所有権保存登記・移転登記で記録された所有者です。

所有権保存登記をすると、表題部所有者は権利部に移ります。

表題部所有者とは、登記記録の表題部(表示に関する登記)に記録された所有者で、まだ所有権の登記がされていない段階の所有者です。

これに対して、所有権の登記名義人とは、権利部(甲区)に所有権の登記(保存登記・移転登記)によって記録された所有者です。

どちらも「登記記録上の所有者」ですが、表題部に記録された段階か、権利部に記録された段階か、で違います。順番に整理します。

表題部所有者とは?表示登記に記録された所有者

建物を新築した直後など、まだ権利の登記がされていない不動産では、表題登記(表示に関する登記)に所有者が記録されます。これが表題部所有者です。

表題部所有者は、まだ権利に関する登記(所有権の登記)がないため、その段階では第三者への対抗力はありません。土地家屋調査士が扱う表示に関する登記の段階の所有者、というイメージです。

所有権の登記名義人とは?権利部の所有者

所有権の登記名義人は、権利部(甲区)に所有権保存登記や移転登記によって記録された所有者です。

権利部に記録されることで、所有権を第三者に対抗できるようになります。権利に関する登記なので、司法書士が扱う領域です。

所有権保存登記で表題部所有者が権利部に移る

表題部所有者(またはその相続人など)が所有権保存登記を申請すると、権利部(甲区)に所有権の登記名義人として記録されます。

このとき、表題部の所有者の記録は下線が引かれて抹消され、所有者の情報は権利部に移ります。

保存登記で表題部所有者が権利部に移る 表題部 表題部所有者 所有権保存登記 権利部 甲区 所有権の登記名義人 表示登記の所有者 → 保存登記 → 権利登記の所有者
表題部所有者(表示に関する登記)が、所有権保存登記によって権利部(甲区)の所有権の登記名義人になる。※イメージ図です。

2つの違いを比較

項目 表題部所有者 所有権の登記名義人
記録される場所表題部(表示に関する登記)権利部 甲区(権利に関する登記)
段階所有権の登記がまだない所有権保存・移転登記がされた後
第三者への対抗力ないある

過去問での問われ方

「表題部所有者又は所有権の登記名義人」という形で、択一に何度も登場します。

令和6年度(午後の部)でも、第4問の表題登記の添付情報、第8問の分筆、第9問の合筆などで、「表題部所有者」と「所有権の登記名義人」が並んで出てきました。どちらの段階の所有者の話かを正しく読み分けることが大切です。

まちがえやすいポイント

表題部所有者は、まだ所有権の登記がされていない段階の所有者で、その段階では第三者への対抗力はありません。所有権保存登記をして初めて、権利部の所有権の登記名義人になり、対抗力が備わります。「表示登記の所有者=表題部所有者/権利登記の所有者=所有権の登記名義人」と区別しましょう。

理解度チェック

Q. 表題部所有者は、まだ所有権の登記がされていない段階の、表題部に記録された所有者である。○か×か。

○。表示に関する登記の表題部に記録された所有者で、権利の登記(所有権の登記)はまだされていない段階です。

Q. 所有権保存登記をしても、所有者の情報は表題部に残り、権利部には記録されない。○か×か。

×。所有権保存登記をすると、表題部の所有者は抹消され、権利部(甲区)に所有権の登記名義人として記録されます。

Q. 所有権の登記名義人は、権利部(甲区)に記録された所有者である。○か×か。

○。所有権保存登記・移転登記によって、権利部(甲区)に記録された所有者です。

まとめ

表題部所有者は表示に関する登記の表題部に記録された所有者(権利の登記前)、所有権の登記名義人は権利部に記録された所有者で、所有権保存登記によって表題部所有者が権利部に移ります

「表示登記の所有者か、権利登記の所有者か」で読み分けましょう。

過去問でどう問われたか(年度別)

この論点が問われた過去問です。正答は法務省公表の正解によります。各問の解説は年度・問番号から確認できます。

年度・No.正答問われた論点
令和7 No.81表題部所有者
令和6 No.153建物の表示に関する登記
令和5 No.73土地の表題登記
令和5 No.142建物の表示に関する登記の添付情報
令和4 No.134建物の表題登記
令和3 No.83表題部所有者
令和元 No.83土地の表示に関する登記の申請情報・添付情報
令和元 No.132建物の表題部の登記
令和元 No.152建物の表示に関する登記の添付情報
令和元 No.164表示に関する登記の申請義務
平成30 No.124建物の表題部の登記
平成29 No.45不動産登記の目的・登記記録(空欄補充)
平成29 No.63申請情報
平成29 No.73所有権を証する情報
平成29 No.112土地の表題部所有者
平成26 No.44表題部所有者(空欄補充)

※正答は法務省公表の正解(標準解答)によります。

参考にした資料

・不動産登記法(表題部所有者・所有権の登記名義人・所有権保存登記)/両者の違いについて、土地家屋調査士・登記関連の解説で確認

・令和6年度 土地家屋調査士試験 午後の部 第4問・第8問・第9問/法務省 公式問題

独学で学ぶ土地家屋調査士 編集部

この記事を書いた人

独学で学ぶ土地家屋調査士 編集部

土地家屋調査士試験の用語・条文・記述式・測量計算を、法務省の公式情報と最新の法令に照らして整理しています。

Topへ >>

  1. HOME > 不動産登記法 > 表題部所有者と所有権の登記名義人の違い