ゼロから学ぶ土木施工管理|資格のT

ゼロから学ぶ土木施工管理|資格のT
  1. HOME > 専門土木 > 地盤改良工法とは?

地盤改良工法とは?固結工法の深層混合処理と薬液注入、分類の見分け方

けんせつる

けんせつる

薬液を入れたら、水は通りやすくなるの?

工法の名前が多くて、どの分類か分からない…

この記事の要点

固結工法とは、地盤に安定材や薬液を入れて固め、支持力を高める地盤改良工法のことです。2つあります。

  • 深層混合処理工法=安定材と軟弱土を地中で混合(機械攪拌方式)。大きな強度が短期間で得られ、沈下量は小さい
  • 薬液注入工法=地盤の透水性を減少させる(止水)。水質監視周辺地盤の沈下・隆起の監視が必要。

「薬液注入は透水性を高め排水を促す」「深層混合処理は沈下量が大きい」はどちらも誤りです。

まず、地盤改良の分類の中でどこに位置するかを押さえます。

地盤改良の分類と固結工法の位置

軟弱な地盤を使えるようにする方法は、大きく4つに分かれます。

  • 締固め工法……振動などで地盤を締め固める。バイブロフローテーション工法、サンドコンパクションパイル工法。
  • 圧密排水(脱水)工法……水を抜いて圧密を進める。サンドドレーン工法など。
  • 載荷重工法……あらかじめ荷重をかけて沈下させる。
  • 固結工法……固めて支持力を高める。深層混合処理工法薬液注入工法、石灰パイル工法。

分類の全体像は軟弱地盤対策工法にまとめています。ここでは固結工法の中身を掘り下げます。

固結工法の2つ(模式図) 深層混合処理工法 安定材を混ぜて柱状の改良体をつくる ★沈下量は小さい 薬液注入工法 すき間を薬液で埋める ★透水性は下がる
固結工法の2つ(模式図)。形状は実物どおりではありません。

固結工法の2つ

工法 やり方と効果 出題された誤り
深層混合処理工法 安定材と軟弱土を地中で混合し、柱状・ブロック状の改良体をつくる。機械攪拌方式がある。大きな強度が短期間で得られ、沈下防止に効果が大きい 沈下量が大きく、大きな強度が短期間で得られる」
薬液注入工法 地盤の透水性を減少させるために薬液を注入する。水質監視(地下水汚染防止)と周辺地盤の沈下・隆起の監視が必要 「地盤の透水性を高め排水を促す

深層混合処理工法の誤り肢は巧妙です。「大きな強度が短期間で得られる」までは正しいので、前半で納得してしまいます。固めて支持力を高める工法なので、沈下量は小さくなります。「沈下量が大きく」は逆です。

なぜ薬液注入は透水性を「下げる」のか

「注入」という語から、何かを流し込んで水の通りをよくするように読めてしまいます。しかし逆です。

薬液注入工法は、地盤のすき間に薬液を入れて固める工法です。すき間が埋まれば、当然水の通り道はふさがります。だから透水性は下がります。止水が目的の工法です。

「地盤の透水性を高め排水を促す」は、向きを逆にして排水を促す工法に見せる引っかけです。排水を促すのはサンドドレーン工法などの圧密排水工法で、まったく別の分類です。

薬液を地中に入れる以上、副作用の監視が要ります。出題される監視は2つです。

  • 水質監視……注入材による地下水汚染を防ぐため。
  • 周辺地盤の沈下や隆起の監視……薬液の圧力で地盤が動くため。

工法がどの分類かを見分ける

「締固め工法に該当するものはどれか」という形でも出ます。工法名から分類を答えられるようにします。

工法 分類 やっていること
バイブロフローテーション工法 締固め ゆるい砂地盤に棒状の振動機を入れ、振動と水締めで締め固め、すき間に砕石を充填。低振動・低騒音で周辺地盤の変状が少ない
石灰パイル工法 固結 生石灰を杭状に打設して地盤を固結させる
サンドドレーン工法 圧密排水(脱水) 砂柱で水を抜いて圧密を促進
深層混合処理工法 固結 安定材を混ぜて改良体をつくる

見分け方は「何で強くしているか」です。振動なら締固め、水を抜くなら圧密排水、固めるなら固結。工法名に含まれる言葉(バイブロ=振動、ドレーン=排水、石灰・混合=固める)がそのまま手がかりになります。

施工管理での確認ポイント

  • 薬液注入では水質を監視する:地下水汚染防止。観測井の設置と測定頻度を決める。
  • 周辺地盤の沈下・隆起を測る:薬液の圧力で地盤が動く。注入前に基準点を設ける。
  • 深層混合処理は改良体を確認する:所定の強度と配置になっているか。
  • 分類と目的が合っているか確認する:止水したいのに排水工法を選んでいないか。

混同しやすい用語

薬液注入工法 と 圧密排水工法

水の扱いが逆です。薬液注入工法はすき間を薬液で埋めるので透水性が下がり、止水が目的です。圧密排水工法(サンドドレーン工法など)は水を抜いて圧密を促進します。「薬液注入は透水性を高め排水を促す」は、この2つを混ぜた誤りです。

深層混合処理工法の「沈下量」

安定材と軟弱土を混ぜて柱状・ブロック状の改良体をつくり、大きな強度が短期間で得られる工法です。固めて支持力を高めるので沈下量は小さく、沈下防止に効果が大きくなります。「沈下量が大きく」とする肢は誤りです。

過去問でどう問われたか

固結工法は2級でくり返し出ます。引っかけは2型です。

  • 透水性の向きの反転……薬液注入を「透水性を高め排水を促す」とする。
  • 効果の逆転……深層混合処理を「沈下量が大きく」とする。
出題年度・級(問番)問われ方/引っかけ
令和6年度 2級前期(No.9)深層混合処理工法を「沈下量が大きく、大きな強度が短期間で得られる」→ 誤り。沈下量は小さい ←②(正答4)
令和4年度 2級前期(No.4)薬液注入工法を「地盤の透水性を高め排水を促す」→ 誤り。透水性は下がる ←①(正答2)
令和6年度 2級後期(No.9)締固め工法に該当するのはバイブロフローテーション工法。石灰パイルは固結、サンドドレーンは圧密排水(正答1)
令和7年度 1級(No.10)軟弱地盤対策工法

管理人からのコメント

固結工法の2つは、誤り肢がどちらも「逆」で作られています。薬液注入の透水性、深層混合処理の沈下量。どちらも工法の目的を考えれば向きが決まります。すき間を埋めれば水は通りにくくなる。固めれば沈まない。それだけです。

分類を問う問題は、工法名がヒントになっています。バイブロ(振動)=締固め、ドレーン(排水)=圧密排水、石灰・混合=固結。名前を分解すれば分類にたどり着きます。

理解度チェック

問題:薬液注入工法は、地盤の透水性をどちらに動かすか。理由も。

減少させます(下げます)。地盤のすき間に薬液を入れて固めるので、水の通り道がふさがるためです。止水が目的の工法です。「透水性を高め排水を促す」は逆で、排水を促すのは圧密排水工法(サンドドレーン工法など)です。(令和4年度2級前期 No.4)

問題:深層混合処理工法の沈下量は大きいか小さいか。

小さいです。安定材と軟弱土を混ぜて柱状・ブロック状の改良体をつくり、固めて支持力を高める工法なので、大きな強度が短期間で得られ、沈下防止に効果が大きくなります。「沈下量が大きく」は誤りです。(令和6年度2級前期 No.9)

問題:バイブロフローテーション工法・石灰パイル工法・サンドドレーン工法は、それぞれどの分類か。

バイブロフローテーション工法締固め(振動と水締めで締め固め、すき間に砕石を充填)。石灰パイル工法固結(生石灰を杭状に打設)。サンドドレーン工法圧密排水(砂柱で水を抜く)。工法名の言葉が分類の手がかりになります。(令和6年度2級後期 No.9)

まとめ

  • 地盤改良は締固め/圧密排水/載荷重/固結の4分類。固結工法は固めて支持力を高める。
  • 深層混合処理工法=安定材と軟弱土を地中で混合(機械攪拌方式)。大きな強度が短期間で得られ、沈下量は小さい
  • 薬液注入工法=地盤の透水性を減少させる(止水)。「透水性を高め排水を促す」は誤り。
  • 薬液注入では水質監視(地下水汚染防止)と周辺地盤の沈下・隆起の監視が必要。
  • 分類の見分け方=振動なら締固め、水を抜くなら圧密排水、固めるなら固結。工法名が手がかり。
  • バイブロフローテーション=締固め(低振動・低騒音)、石灰パイル=固結、サンドドレーン=圧密排水。

分類の全体像は軟弱地盤対策工法、薬液注入の詳細は薬液注入工法、排水で圧密を促す工法はバーチカルドレーン工法で確認できます。

参考資料

  • 日本道路協会「道路土工-軟弱地盤対策工指針」
  • 一般財団法人 全国建設研修センター 公表の第一次検定 問題・正答
T

無料・独学でまなぶ資格のT

T|運営・編集

土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

過去問解説

このサイトについて

Topへ >>

  1. HOME > 専門土木 > 地盤改良工法とは?