平成30年度 公害防止管理者 大気概論 問10を解説|オゾンに対する植物の感受性(グラジオラスはふっ化水素の指標植物)
平成30年度 大気概論 問10は、オゾンに対する植物の感受性を問う問題です。挙げられた植物のうち、感受性が最も弱いものを選びます。
この問題のポイント
大気汚染による植物被害の分野では、特定の物質にごく低い濃度から反応する植物が指標植物として使われます。この問題は、その対応関係を物質ごとに区別して覚えているかを確かめる出題です。分かれ目は、指標植物として名前が知られている植物をどの汚染物質にも敏感な植物だと思い込むかどうか。敏感さは物質ごとに異なり、ある物質の指標植物が別の物質には鈍いことは珍しくありません。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(1)(オゾンに対する感受性が最も弱い)
各選択肢の判定(オゾンに対する感受性)
| 選択肢 | 感受性 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | 弱い | グラジオラスはふっ化水素の指標植物として知られる一方、オゾンに対する感受性は弱い植物です。これが正解です。 |
| (2) | 強い | サトイモはオゾンに反応して葉に被害を生じやすく、グラジオラスより感受性が強い植物です。 |
| (3) | 強い | ホウレンソウはオゾンによる被害を受けやすい作物で、グラジオラスより感受性が強い植物です。 |
| (4) | 強い | アサガオはオゾンに敏感に反応する植物として知られ、グラジオラスより感受性が強い植物です。 |
| (5) | 強い | トウモロコシもオゾンへの感受性を示し、グラジオラスより感受性が強い植物です。 |
選択肢(1)のポイント(ここが答え)
グラジオラスは、ふっ化水素に対する指標植物として広く知られています。ふっ化水素はごく低い濃度でも葉に特徴的な被害を現すため、その被害の出やすさを利用して汚染の有無を読み取る役割を担ってきました。つまりグラジオラスが敏感なのは、あくまでふっ化水素に対してです。
一方、オゾンに対しては話が変わり、グラジオラスはオゾンへの感受性が弱い植物です。オゾンに感受性を示す植物と並べて「最も弱いもの」を探すと、グラジオラスが浮かび上がります。ここで指標植物という肩書きだけを見て「敏感な植物だから違う」と外してしまうのが、この問題の落とし穴です。
植物が被害を受ける仕組みは物質ごとに異なり、葉に取り込まれた後の作用の受け方も種類によって差があります。だからこそ「敏感な植物」と一括りにする覚え方は通用しません。指標植物は、必ず対象物質とセットで記憶します。
覚え方
- 指標植物は物質と植物をペアで暗記。単独で「敏感な植物」として覚えない。
- グラジオラス=ふっ化水素の指標植物。オゾンに対しては感受性が弱い。
- 「弱いものを選べ」と問われたら、他の物質の指標植物が紛れていないかを疑う。
理解度チェック
グラジオラスはどの大気汚染物質の指標植物か。
ふっ化水素です。ごく低い濃度でも葉に特徴的な被害が現れるため、ふっ化水素による汚染を知る手がかりとして用いられます。オゾンに対する感受性は弱く、こちらの指標にはなりません。
指標植物を覚えるときに注意すべき点は。
対象となる汚染物質とセットで覚えることです。感受性は物質ごとに異なるため、ある物質の指標植物が別の物質には鈍いことがあります。「敏感な植物」と一括りにすると取り違えます。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 大気概論 問題」(公式PDF)
- 環境省「光化学オキシダント及び植物影響に関する調査資料」
※ この記事の確認日:2026年7月