平成30年度 公害防止管理者 大気概論 問1を解説|ばい煙の排出の規制(敷地境界基準は特定粉じんの基準)
平成30年度 大気概論 問1は、ばい煙の排出の規制等に関する正誤問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
この問題は、大気汚染防止法がばい煙をどのように規制しているかを、基準を定める者・届出の相手方・遵守義務・測定義務の4点から確認する正誤問題です。引っかけの核心は、ばい煙の規制に敷地境界での基準を持ち込んでいる点で、これは別の規制の話です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | ばい煙発生施設で発生するばい煙の排出基準は、環境省令で定めます。正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | ばい煙発生施設を設置しようとするときの届出先は、都道府県知事です。正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | 排出口においてばい煙量・ばい煙濃度が排出基準に適合しないばい煙を排出してはなりません。正しい記述です。 |
| (4) | ○(正しい) | ばい煙排出者は、ばい煙量・ばい煙濃度を測定し、その結果を記録して保存しなければなりません。正しい記述です。 |
| (5) | ×(誤り) | 敷地境界基準は特定粉じん(石綿)に係る基準で、ばい煙の規制ではありません。ばい煙は排出口における排出基準で規制します。 |
選択肢(5)のポイント(ここが誤り)
大気汚染防止法の規制は、物質ごとに「どこで測るか」が決まっています。ばい煙は、施設の排出口におけるばい煙量・ばい煙濃度が排出基準に適合しているかで判定します。これに対して敷地境界基準は、工場・事業場の敷地の境界線における大気中の濃度の許容限度として定められる基準で、特定粉じん(石綿)にだけ置かれているものです。
選択肢(5)は、ばい煙について敷地境界基準の遵守義務があるとしている点が誤りです。ばい煙で敷地境界の濃度を測って合否を決める仕組みはありません。逆に、特定粉じんは施設の出口ではなく敷地の境界線で見る、という向きも押さえておくと、「ばい煙=敷地境界」「特定粉じん=排出口」と入れ替えた記述にも気づけます。
覚え方
- 測る場所で覚える。ばい煙=排出口の排出基準/特定粉じん(石綿)=敷地境界基準。
- 基準を定めるのは国(環境省令)、届出を受けるのは都道府県知事。「定める者」と「受ける者」を混ぜない。
- ばい煙排出者の義務は、測定→記録→保存の3点セット。測っただけで終わりではない。
- 敷地境界という語が出たら、大気では石綿、騒音・振動では規制基準を連想する。
理解度チェック
Q.
大気汚染防止法の敷地境界基準は、何に係る基準か。
特定粉じん(石綿)に係る基準です。ばい煙にこの基準は適用されません。
Q.
ばい煙の排出基準は、誰が定め、どこで適合を判定するか。
環境省令で定め、ばい煙発生施設の排出口におけるばい煙量・ばい煙濃度で判定します。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 大気概論 問題」(公式PDF)
- 大気汚染防止法(ばい煙の排出の規制・特定粉じんに係る規制基準)
※ この記事の確認日:2026年7月