平成29年度 公害防止管理者 水質概論 問1を解説|特定地下浸透水は有害物質を製造・使用・処理する施設から出る水
平成29年度 水質概論 問1は、水質汚濁防止法における特定地下浸透水とは何かを、ア~オの五つの空欄で問う組合せ問題です。
この問題のポイント
この問題は、地下水汚染を未然に防ぐしくみの入口にあたる用語を、法律が置いた枠組みどおりに読めているかを確かめる出題です。分かれ目は、地下にしみ込む水のうち何を特別扱いするのかという線引きで、施設を絞る語をどう選ぶかで組合せの残りが一気に決まります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)
各選択肢の正誤
| 空欄 | 語句 | 読み解き |
|---|---|---|
| ア | 有害 | 対象を絞る基準は物質の危険性です。ここを「特定」にすると、危険な物質を扱わない施設まで巻き込むことになります。 |
| イ | 製造 | 施設での扱い方の一つ目。つくる段階から規制がかかります。 |
| ウ | 使用 | 二つ目。つかう段階。希釈という語は法律の枠組みに出てきません。 |
| エ | 処理 | 三つ目。処分ではなく処理です。廃棄物として捨てる話ではありません。 |
| オ | 汚水等 | 特定施設から出る汚水又は廃液をまとめて指す法律上の呼び名です。浸出水は埋立地などで使う別の語です。 |
ここが分かれ目
最初に決まるのはアです。ここに入るのは有害で、有害物質を扱う特定施設だけがこの定義の対象になります。アを「特定」と読むと、有害物質をまったく扱わない食品工場などから地下にしみ込む水まで同じ枠に入ってしまい、地下水汚染を狙い撃ちする制度としての形が崩れます。この語が決まれば、有害物質使用特定施設・有害物質使用特定事業場という呼び名も自動的に決まります。
イからエの三つは、有害物質を施設でどう扱うかの並びで、つくる・つかう・処理するの三拍子です。ここに「貯蔵」を差し込む選択肢が用意されていますが、ためておくだけの施設はこの定義には入りません。貯蔵は有害物質貯蔵指定施設という別の枠で、構造や点検の規制がかかるようになっています。オの汚水等は、特定施設から出る汚水又は廃液を指す語で、処理したあとの水まで含めて数える点も押さえておくと安全です。
覚え方
- 特定地下浸透水の主語は有害物質使用特定事業場。施設を絞るのは「有害」という語。
- 扱い方は製造・使用・処理の三拍子。貯蔵は入らず、有害物質貯蔵指定施設という別枠に回る。
- 中身は汚水等(汚水又は廃液)。処理したあとの水まで含めて数える。
- 出口で整理する。公共用水域へ出るのが排出水、地下へしみ込むのが特定地下浸透水。
理解度チェック
特定地下浸透水の定義で、施設の範囲を絞っているのはどのような語ですか。
有害です。有害物質を製造・使用・処理する特定施設を置く事業場だけが対象になります。単に特定施設であればよい、という定義ではありません。
有害物質をためておくだけの施設は、この定義に含まれますか。
含まれません。ためておく施設は有害物質貯蔵指定施設として別に位置づけられ、構造基準や定期点検の規制がかかります。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「平成29年度 公害防止管理者等国家試験 水質概論 問題」(公式PDF)
- 水質汚濁防止法(第2条)
※ この記事の確認日:2026年7月