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平成29年度 公害防止管理者 騒音・振動概論 問13を解説|6 dB上がれば時間は4分の1

平成29年度 騒音・振動概論 問13は、耳を守るための目安として学会が示している値を出発点に、音が大きくなったとき浴びてよい時間がどこまで縮むかを計算させる問題です。

この問題のポイント

前提として与えられているのは、受けた音のエネルギーの総量が同じなら影響も同じとみなすという考え方です。これに立つと、レベルと時間はてんびんの関係になり、レベルが上がった分だけ時間を縮めればつり合いが保たれます。てんびんの目盛りは対数で切られているので、レベルが一定量上がるごとに時間が半分になる、という形で効いてきます。したがって手順は「基準からの上がり幅を出す」「上がり幅をエネルギーの倍率へ直す」「その倍率で時間を割る」の三段です。3 dB上がればエネルギーは2倍という関係を体に入れていれば、対数表を引かずに暗算で片づきます。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(3)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
(1)×(誤り)半分にする回数を二回多く数えると、この値になります。
(2)×(誤り)半分にする回数を一回多く数えると、この値になります。
(3)○(正しい)上がり幅を倍率に直し、その分だけ時間を縮めると、この値になります。
(4)×(誤り)半分にする回数を一回少なく数えると、この値になります。
(5)×(誤り)半分にする操作を重ねても現れない値で、てんびんの計算になっていません。

選択肢(3)のポイント(ここが分かれ目)

手順内容
手順1基準からの上がり幅を出す。91-85=6 dB。
手順2上がり幅をエネルギーの倍率へ直す。3 dBで2倍なので、6 dBは2×2=4倍
手順3総量をそろえるため、時間を同じ倍率で割る。8÷4=2。
手順4答えは2時間。対数で書けば 8×10-6/10=8×0.251≒2 となり、同じ値になる。

てんびんの考え方は、レベルと時間の積ではなく、エネルギーと時間の積が一定という形で働きます。レベルは対数の量なので、足し算で扱えるのはレベルどうし、掛け算で扱えるのはエネルギーどうしです。ここを混ぜると、「6 dB上がったから時間を6分の1にする」といった見当違いの計算になります。まずレベルの差を倍率へ翻訳してから時間の割り算に移る、という順番を崩さないことが肝心です。

翻訳の足がかりは二つ覚えておけば足ります。3 dBでエネルギーは2倍、10 dBで10倍です。今回の差はちょうど3 dBの二つ分なので、倍率は2の二乗で4。時間は4分の1になります。差が割り切れない値のときは、10の(差÷10)乗を倍率にすればよく、対数表があれば同じ手順で計算できます。試験で出る値はたいてい3 dBか10 dBの組合せで作られています。

もうひとつ押さえておきたいのは、この考え方があくまで仮定として置かれていることです。実際の耳の傷み方は、同じエネルギーでも一気に浴びるか少しずつかで変わりうるため、現場の基準では別の刻み方を使う例もあります。問題が仮定を明示しているのはそのためで、仮定を外して現実の話へ踏み込むと答えが出ません。与えられた枠の中で素直に計算するのが正解への近道です。

覚え方

  • 3 dB上がればエネルギー2倍、時間は半分。これだけで大半の問題が解ける。
  • 10 dB上がればエネルギー10倍、時間は10分の1。
  • 手順は「レベル差 → 倍率 → 時間を割る」。レベルのまま時間を割らない。
  • 割り切れない差は、10の(差÷10)乗を倍率にする。
  • てんびんが成り立つのは仮定。問題が仮定を置いているときだけ使う。

理解度チェック

Q.

音のレベルが3 dB上がると、浴びてよい時間はどうなるか。

エネルギーが2倍になるため、時間は半分になります。

Q.

レベル差から許容される時間を出す手順は。

まずレベル差をエネルギーの倍率へ直し、その倍率で元の時間を割ります。レベルのまま割ってはいけません。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成29年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動概論 問題」(公式PDF