平成29年度 公害防止管理者 騒音・振動概論 問11を解説|夕方と夜に重みを足すのは飛行機の音
平成29年度 騒音・振動概論 問11は、音に関する五つの告示を並べ、そのうち一日を時間帯で重み付けしてからならす指標を採っているのはどれかを選ぶ問題です。
この問題のポイント
音の基準は、対象によって物差しを変えています。工場や建設の作業のように、その場で鳴っている音を直接抑えたい場面では、計器の指示値をそのまま、あるいは上位側の統計値として読む方式が使われます。生活環境全体の目標を示す場面では、一定時間のエネルギーをならした量が使われ、昼と夜で別々の値が示されます。これに対し、飛行機や新幹線のように通り過ぎるたびに短く鳴る音は、そのままでは平均も指示値も実感と合いません。そこで、時間帯ごとに重みを上乗せしてから一日分をならす方式や、通過ごとの山の高さから代表値を取る方式が使われます。選択肢のうち、重みを上乗せしてからならす方式を採っているのは一つだけです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)(当てはまる記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 使う物差し | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | 時間をならした量 | 昼と夜で別々の値を示しますが、時間帯ごとの上乗せはしません。 |
| (2) | 指示値の読み取り | 区域と時間帯ごとに上限を示す方式で、上乗せしてならす形ではありません。 |
| (3) | 指示値の読み取り | 作業する場所の境界で読む方式で、上乗せしてならす形ではありません。 |
| (4) | 上乗せしてならす量 | 夕方と夜に重みを足したうえで一日分をならす方式で、これが当てはまります。 |
| (5) | 通過ごとの山の代表値 | 列車が通るたびの山の高さから代表値を取る方式です。 |
選択肢(4)のポイント(ここが分かれ目)
飛行機の音は、離着陸のたびに短時間だけ大きく鳴り、あとは静かという出方をします。一日を単純にならすと、静かな時間に薄められて実感からかけ離れた小さな値になってしまいます。かといって、いちばん大きかった瞬間だけを取れば、回数の多い少ないが反映されません。そこで採られているのが、回数と長さをエネルギーとして積み上げつつ、うるさく感じる時間帯には重みを足すという方式です。
重みの付け方は、夕方の時間帯に5 dB、夜の時間帯に10 dBを上乗せする形で、同じ音でも遅い時間ほど大きく数えられます。夜の便を減らすことが値の改善に直結する設計になっており、睡眠を守るという政策の意図が指標の形そのものに埋め込まれています。この指標は国際的にも広く使われており、日本でも従来の独自指標から切り替えられました。古い指標の名前で覚えたままだと、現行の告示と食い違いますので、切り替わっている点を必ず押さえておく必要があります。
ほかの四つは、それぞれ別の物差しです。生活環境の目標を示す告示は、一定時間のエネルギーをならした量を昼と夜に分けて示します。工場と建設の作業は、計器の指示値を区域や境界で読む方式です。新幹線の音は、列車が通るたびの山の高さを集め、上位半数をエネルギー平均して代表させます。「ならす」「読む」「山を取る」の三系統に分けて整理すると、どの告示がどれかを迷わなくなります。
覚え方
- 時間帯に重みを足してから一日をならす方式は飛行機の音の環境基準だけ。
- 重みは夕方に5 dB、夜に10 dB。遅い時間ほど大きく数える。
- 生活環境の目標は、時間をならした量を昼と夜に分けて示す。
- 工場と建設の作業は、計器の指示値を区域や境界で読む方式。
- 新幹線の音は、通過ごとの山の高さから上位半数を取って代表させる。
理解度チェック
時間帯ごとに重みを上乗せしてから一日分をならす方式は、どの基準で使われているか。
飛行機の音に関する環境基準です。かつての独自指標から切り替えられました。
新幹線の音はどう評価するか。
列車が通るたびの山の高さを集め、上位半数をエネルギー平均して代表値とします。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「平成29年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動概論 問題」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月