平成29年度 公害防止管理者 騒音・振動概論 問9を解説|1 Paは約94 dB、桁が違う
平成29年度 騒音・振動概論 問9は、同じ高さの純音について大きさの表し方を五通り並べ、実際の圧力の振れ幅がいちばん大きいものを選ばせる問題です。
この問題のポイント
並んでいるのは、耳が感じる大きさを表す量、その大きさをレベルで表した量、圧力を基準と比べてレベルにした量、重み付けを掛けたレベル、そして圧力そのものです。単位が違うものを比べるので、すべてを圧力のレベルにそろえてから並べ直すのが手順になります。換算の足がかりは二つで、ひとつはこの高さでは重み付けの補正がほぼ効かないこと、もうひとつは大きさの単位とレベルの対応が定義で決まっていることです。ここを押さえると、五つのうち三つは1 dB相当、もうひとつは定義から40 dB相当と分かります。残る一つだけが圧力そのもので与えられており、換算すると90 dBを大きく超えるところへ着地します。数値の見た目が小さいからといって小さいとは限らない、という対数の感覚が試されています。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)(音圧が最大の記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 圧力のレベル | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | 40 dB相当 | 耳が感じる大きさの単位は、この高さで40 dBのときを1とする定義なので、40 dB相当になります。 |
| (2) | 1 dB相当 | 大きさをレベルで表した量は、この高さでは圧力のレベルと同じ値になります。 |
| (3) | 1 dB相当 | そのまま圧力のレベルとして与えられています。 |
| (4) | 1 dB相当 | 重み付けの補正がこの高さではほぼ0なので、圧力のレベルと同じ値になります。 |
| (5) | 約94 dB(最大) | 基準の圧力の5万倍にあたり、レベルに直すと90 dBを大きく超えます。 |
選択肢(5)のポイント(ここが分かれ目)
圧力のレベルは、測った圧力を基準の圧力で割り、その比の常用対数を20倍して求めます。基準に使う圧力は20 μPa、つまり0.00002 Paで、人がやっと聞き取れる圧力の目安として決められた値です。ここに1 Paを当てはめると比は5万になり、その常用対数はおよそ4.70。20倍しておよそ94 dBになります。
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| 手順1 | 比べたいのは圧力なので、五つとも圧力のレベル(dB)へそろえる。 |
| 手順2 | 基準の圧力は20 μPa=0.00002 Pa。1 Paはその5万倍にあたる。 |
| 手順3 | 5万の常用対数はおよそ4.70。レベルは20×4.70=約94 dB。 |
| 手順4 | 残る四つは、定義から40 dB相当が一つ、1 dB相当が三つ。 |
| 手順5 | 最も大きいのは約94 dBのもの。よって圧力そのもので与えられた選択肢が答え。 |
耳が感じる大きさの単位のほうは、この高さで40 dBのときを1とするという決め方をしています。したがって1という値は感覚としては静かな側であり、レベルに直せば40 dBです。大きさをレベルで表した量は、この高さでは圧力のレベルと数値が一致する決まりなので、1と書かれていれば1 dB。重み付けを掛けたレベルも、この高さでは補正がほとんど0なのでやはり1 dBです。そのまま圧力のレベルとして与えられたものも1 dBになります。
こうして並べると、同じ「1」という数字が付いていても、単位が変われば意味する大きさはまったく違うことが分かります。対数で表す量は数値が小さく見えますが、圧力そのもので示された量は対数を通していないので、換算すると一気に大きくなります。数字の大小をそのまま比べてしまうのが、この問題で最も多い落とし方です。単位の意味を取り違えずに同じ土俵へそろえられれば、計算そのものは難しくありません。
覚え方
- 単位が違うものは、まず全部を音圧レベルへそろえてから比べる。
- 圧力のレベルの基準は20 μPa。1 Paはその5万倍で、約94 dB。
- 耳が感じる大きさの単位は「1 kHz・40 dBを1」と決めた量。1と書かれても40 dB相当。
- 1 kHzでは重み付けの補正がほぼ0。重み付き・重みなしのレベルは同じ値。
- 大きさをレベルで表した量も、1 kHzでは圧力のレベルと一致する。
理解度チェック
圧力が1 Paの音は、レベルに直すとおよそ何dBか。
基準の20 μPaの5万倍にあたるので、20×log(50000)からおよそ94 dBです。
耳が感じる大きさの単位で「1」と書かれた音は、レベルでいうといくつか。
1 kHzで40 dBのときを1と決めているので、40 dB相当です。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「平成29年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動概論 問題」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月