1. HOME
  2. 過去問解説
  3. 騒音・振動概論
  4. 平成29年
  5. > 問1 台数変更と届出の要否

平成29年度 公害防止管理者 騒音・振動概論 問1を解説|台数を増やしたとき手続きが要る境目

平成29年度 騒音・振動概論 問1は、いちど届け出た中身を後から動かしたとき、市町村へあらためて書類を出す義務が生じるかどうかを見分ける正誤問題です。義務が生じるものを選びます。

この問題のポイント

騒音規制法は、届け出た中身を動かすときの手続きを、法本体と環境省令の二段構えで決めています。法は原則として事前に知らせることを義務づけ、省令がそこに「この範囲なら出さなくてよい」という枠を切っています。枠の中身は二つだけで、ひとつは台数の増え方に置かれた上限、もうひとつは音が大きくならないことを条件にした抑え方の手直しです。判定は二段で進みます。まず動きの向きを見て、減る向きなら増加を前提にした枠の外へ出ないので手続きは要りません。増える向きなら、増え方が上限に収まるかを見ます。上限は「何倍まで」という形で書かれており、その倍率をちょうどで覚えているかどうかが、そのまま得点差になります。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(4)(届出が必要な記述)

各選択肢の正誤

選択肢要否解説
(1)否(不要)音が大きくならない範囲で抑え方を手直しするだけなら、省令が切った枠に収まるため手続きは求められません。
(2)否(不要)増え方が枠の上限とちょうど同じで、内側に収まります。
(3)否(不要)台数が減る向きの動きで、増加を前提にした枠の外へは出ません。
(4)要(必要)増え方が枠の上限をはっきり超えるため、工事に取りかかる前に知らせなければなりません。
(5)否(不要)これも減る向きの動きなので、事前の手続きは求められません。

選択肢(4)のポイント(ここが分かれ目)

省令が切った枠は、台数について「元の数の2倍以内であること」という書き方をしています。ここで効くのが以内という一語で、ちょうど2倍までは内側、そこを超えたら外側という切り分けになります。選択肢を並べると増える向きは二つあり、片方は上限ぴったり、もう片方はその上を行きます。上限を超えて増やす動きだけが手続きの対象で、残りは枠の内側という構造です。

減る向きの動きが対象にならないのは、枠が「数の増加が」という言い方で増える場合だけを名指ししているからです。台数を落とせば出てくる音は増えようがないので、あらかじめ知らせる必要がない、という発想です。ただしすべてを止めてしまった場合は別扱いで、こちらは事前ではなく事後に、やめた旨を知らせる手続きが用意されています。減る向きだから何もしなくてよい、と丸ごと覚えると、この場面で足をすくわれます。

もうひとつの枠である抑え方の手直しも、条件は同じ発想です。音が大きくなる向きの手直しなら、小さな工事でも事前に知らせなければなりません。逆に、防音の囲いを厚くするような、音を下げる向きあるいは変わらない向きの手直しは枠の内側です。この制度の狙いが「周囲の音が悪化しうる変化を行政が事前に把握すること」だと考えれば、どちらの枠も自然に思い出せます。なお、手続きが要る場合の期限は工事に取りかかる30日前までで、新しく置くときと同じ時期の縛りが掛かります。

覚え方

  • 台数の枠は2倍以内なら不要、超えたら必要。「以内」なのでちょうど2倍は不要側。
  • 減る向きの動きは事前の手続き不要。ただし全部やめたら事後に知らせる。
  • 抑え方の手直しは「音が増えないなら不要、増えるなら必要」。
  • 手続きが要るときの期限は工事の30日前まで。設置のときと同じ。
  • 迷ったら「周囲の音が悪化しうる変化か」で判定する。

理解度チェック

Q.

届け出た台数を増やすとき、どこまでなら事前の手続きが要らないか。

元の数の2倍以内までです。「以内」なのでちょうど2倍は手続き不要で、それを超える増やし方から必要になります。

Q.

抑え方を手直しするとき、事前の手続きが要るのはどんな場合か。

その手直しをしたときに音が大きくなる場合です。音が増えない範囲の手直しは省令の枠に収まります。

平成29年度 公害防止管理者 過去問解説 一覧へ

出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成29年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動概論 問題」(公式PDF