平成29年度 公害防止管理者 汚水処理特論 問25を解説|表面散乱方式は着色に強い
平成29年度 汚水処理特論 問25は、水の濁りを測る計器の方式と、それぞれの持ち味との対応を問う組合せ問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
濁りの計器は、光をどこから入れて、どの向きの光を拾うかで分類されます。持ち味の差もここから機械的に決まり、覚え込む必要はほとんどありません。鍵になるのは光が試料の中をどれくらい長く通るかと、2つの信号の比をとっているかどうかの2点です。ひっかけは、光路が短いことが持ち味の方式に、光路が長い方式の弱点が貼り付けられているという入れ替えです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(1)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | 水面のすぐ下で散った光を上から拾う方式は、光が水の中を通る距離が短いため、色による吸収の影響が小さくて済みます。弱点として挙げるのは逆です。これが正解の肢です。 |
| (2) | ○(正しい) | 粒子に当たって散った光を、入れた光の進む向きに対して直角の位置で受けるのが基本形です。低い濁りに感度が高いという長所があります。 |
| (3) | ○(正しい) | 試料を突き抜けた光の弱まりを見る方式では、窓の汚れも光を弱めるので、濁りによる弱まりと区別がつきません。汚れに敏感です。 |
| (4) | ○(正しい) | 散った光と突き抜けた光の比をとると、色や汚れのように両方を等しく弱める要因が打ち消し合います。着色に強くなる理由です。 |
| (5) | ○(正しい) | 内面を白く仕上げた球であらゆる向きへ抜けた光をまとめて集め、散った光との強さの比から濁りを求めます。 |
ここが分かれ目
色の濃い水を測ると、なぜ値が狂うのか。理由は単純で、色は光を吸うからです。濁りが同じでも、着色があれば光は余分に弱まり、計器はそれを濁りと取り違えます。つまり色に弱いかどうかは、光が試料の中を進む距離の長さでほぼ決まります。
この観点で並べ替えると、話がすっきりします。試料を突き抜けた光を見る方式は、光が液の中を端から端まで通るので光路が最も長く、色にも窓の汚れにも大きく振られます。これに対し、水面のすぐ下で散った光を上から受ける方式は、光の出入りが表層に限られて光路がごく短く、色による吸収がほとんど効きません。しかも受光する側が水に触れないので、窓が汚れるという弱点自体を持ちません。着色に弱いという性質を、この方式に貼り付けるのは正反対です。
もうひとつの逃げ道が比をとるという工夫です。着色や汚れは、散った光と突き抜けた光のどちらも同じように弱めます。であれば割り算をすれば、その共通の弱まりは分母と分子で相殺され、濁りに由来する差だけが残ります。散った光と突き抜けた光を組み合わせる方式や、球で全方向の光を集める方式が着色に強いのは、この理屈によります。
整理すると、着色への強さは「光路が短い」か「比をとっている」かのどちらかで得られます。逆に、光路が長く、しかも単独の信号だけを見ている方式が最も弱いということになります。
覚え方
- 色は光を吸う。着色に弱いのは光路が長い方式、強いのは光路が短い方式か比をとる方式。
- 表面で散った光を上から拾う方式は光路が短く、受光部が水に触れない。二重に有利。
- 突き抜けた光だけを見る方式は窓の汚れも濁りに見えてしまう。
- 比をとれば共通の弱まりは相殺される。着色・汚れ・光源の劣化に強くなる。
- 散った光は入れた光と直角の向きで受けるのが基本形。低濁度に感度が高い。
理解度チェック
着色した試料で濁度の値が狂いやすいのは、どんな方式ですか。
光が試料の中を長く通り、しかも単独の信号だけを見ている方式です。透過した光の弱まりだけで判断する方式が代表で、色による吸収を濁りと取り違えます。
散乱光と透過光の比をとると、なぜ着色や汚れに強くなるのですか。
着色や汚れは散乱光と透過光の両方を同じように弱めるため、割り算をすると分母と分子で打ち消し合うからです。濁りによる差だけが残ります。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「平成29年度 公害防止管理者等国家試験 汚水処理特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月