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平成29年度 公害防止管理者 公害総論 問6を解説|四大公害病にカネミ油症は入らない

平成29年度 公害総論 問6は、四大公害病と呼ばれてきた病気の顔ぶれを問う正誤問題です。誤っているものを選びます。

この問題のポイント

この問題は、日本の公害史で並べて語られる4つの健康被害を、名前だけで正しく取り出せるかを問う出題です。引っかけの核心は被害が届いた経路の違いで、名前をよく聞く別の健康被害事件が1つだけ紛れ込ませてあります。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(2)(誤っている記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
(1)○(正しい)富山県の神通川流域で、鉱山の排水に含まれたカドミウムが農地と作物を汚したことによる健康被害です。四大公害病の一つです。
(2)×(誤り)製造工程で有害物質が混入した食用油を口にしたことによる食品被害の事件で、四大公害病には数えられません
(3)○(正しい)新潟県の阿賀野川流域で、工場排水中のメチル水銀が魚に蓄積して起きた健康被害です。四大公害病の一つです。
(4)○(正しい)熊本県の水俣湾周辺で、工場排水中のメチル水銀が魚介類に蓄積して起きた健康被害です。四大公害病の一つです。
(5)○(正しい)三重県四日市市で、石油化学コンビナートのばい煙に含まれた硫黄酸化物による大気汚染で呼吸器の被害が広がりました。四大公害病の一つです。

選択肢(2)のポイント(ここが誤り)

四大公害病に共通するのは、工場や鉱山から出た有害物質が大気や水という環境をいったん汚し、そこで暮らす人に健康被害が及んだという筋道です。水俣病と新潟水俣病は水を経由し、イタイイタイ病は水と土を経由し、四日市ぜん息は大気を経由しました。いずれも被害が地域ぐるみで広がり、原因企業の責任を問う裁判が起こされて、公害対策の法制度が整えられていく契機になりました。

これに対してカネミ油症は、製品そのものに有害物質が混入し、その食品を口にした人に被害が出た事件です。汚染の場は工場の中の製造工程であって、地域の大気や水ではありません。環境を経由していないため、公害の枠ではなく食品による健康被害として扱われます。名前をよく知っている事件ほど、四大公害病の側へ引き込まれやすいので、経路で切り分けるのが確実です。

覚え方

  • 四大公害病は水俣病・新潟水俣病・イタイイタイ病・四日市ぜん息。水銀が2つ、カドミウムが1つ、大気が1つ。
  • 原因物質と土地はセットで覚える。メチル水銀は水俣湾と阿賀野川、カドミウムは神通川、硫黄酸化物は四日市。
  • 迷ったら経路で判定する。大気・水・土を汚してから人に届いたものが公害、製品や食品を通じて届いたものは別の枠。

理解度チェック

Q.

四大公害病を4つ挙げよ。

水俣病・新潟水俣病・イタイイタイ病・四日市ぜん息です。カネミ油症は含まれません。

Q.

水俣病・新潟水俣病とイタイイタイ病の原因物質はそれぞれ何か。

水俣病と新潟水俣病はメチル水銀、イタイイタイ病はカドミウムです。四日市ぜん息は硫黄酸化物による大気汚染です。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成29年度 公害防止管理者等国家試験 公害総論 問題」(公式PDF
  • 日本の四大公害病(水俣病・新潟水俣病・イタイイタイ病・四日市ぜん息)の原因物質と発生地域