平成28年度 公害防止管理者 公害総論 問1を解説|環境への負荷は環境に加えられる影響
平成28年度 公害総論 問1は、環境基本法の用語定義を題材にした正誤問題です。定義文に記号で示された語のうち、正しくないものの組合せを選びます。
この問題のポイント
この問題は、法律の冒頭に置かれた定義規定を、条文の言い回しどおりに再現できるかを確かめる出題です。引っかけの核心は、定義されている見出し語そのものと、影響が及ぶ先の広さという2か所にあり、どちらももっともらしい別語に置き換えられています。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)(誤った語を含む組合せ)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 負荷という語の見出しも、支障を生む原因という受け方も条文どおりの表現です。 |
| (2) | ×(誤り) | 負荷が及ぶ先を地球としている点が誤りで、条文は環境です。もう一方は定義の見出し語がすり替えられており、正しくは地球環境保全です。 |
| (3) | ○(正しい) | 人の営みがもたらす地球全体の気温上昇と、生き物の種が減っていく事態は、いずれも列挙されているとおりの語です。 |
| (4) | ○(正しい) | オゾン層について進行という語で受ける点も、地球を全体でくくる点も条文どおりです。 |
| (5) | ○(正しい) | 広範な部分という語と、それを事態として受ける語は、いずれも条文の表現と一致します。 |
選択肢(2)のポイント(ここが誤り)
ひとつ目の定義は、人の営みが環境へ及ぼす影響のうち、環境の保全のうえで支障を生む原因となりかねないものを指しています。及ぶ先を地球に限ってしまうと、工場排水が近くの川に与える影響のような身近な負荷が定義から抜け落ちます。この法律が公害と地球規模の問題の両方を守備範囲にしていることと、まったく釣り合わなくなります。
ふたつ目は見出し語のすり替えです。気温上昇・オゾン層の破壊・海洋の汚染・種の減少を並べて束ねている定義の名前は地球環境保全です。持続的発展という言い方は、この定義規定の見出しには置かれていません。持続可能性の考え方は基本理念の側に書かれており、条文上の位置がまったく違います。定義規定を読むときは、何を定義しているのかという見出し語を先に押さえるのが安全です。
覚え方
- 負荷が及ぶ先は環境。地球と書いてあったら疑う。
- 温暖化・オゾン層破壊・海洋汚染・種の減少を束ねる定義の名前は地球環境保全。持続可能性の語は理念の側にあり、定義規定には出てこない。
- 定義規定を読む順序は、見出し語(何を定義しているか)→対象の広さ→締めの目的、の3段。
理解度チェック
この法律でいう負荷は、何へ及ぶ影響を指しているか。
人の営みが環境へ及ぼす影響のうち、環境の保全のうえで支障を生む原因となりかねないものです。地球に限った書き方ではありません。
温暖化やオゾン層の破壊などを束ねている定義の見出し語は何か。
地球環境保全です。持続可能性に関する考え方は基本理念の条文にあり、この定義の見出し語ではありません。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「平成28年度 公害防止管理者等国家試験 公害総論 問題」(公式PDF)
- 環境基本法(平成5年法律第91号)第2条第1項・第2項(定義)
※ この記事の確認日:2026年7月