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平成29年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問25を解説|検出下限で見る機器の状態

平成29年度 ダイオキシン類特論 問25は、測定に入る前の点検として、機器がどこまで見分けられていれば合格とみなすのかを問う穴埋め問題です。四つの空欄を埋める数値の並びを選びます。

この問題のポイント

ここで問われている値は、試料の濃度とは無関係です。標準の液を注いだときに機器がどこまで信号を返せるかという、機器の調子を測る指標にあたります。示された値より大きい、つまり見分けられる量が多くないと反応しない状態なら、機器を整えてから測定に入るという決まりです。四つの空欄は塩素の数ごとの区分と、もう一系統の化合物に対応しており、数値の並び方に規則性があります。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(3)

各選択肢の正誤

空欄入る数値読み解き
0.1 pg塩素が四つ・五つの区分。もっとも軽く、感度も出やすいので値が一番小さくなります。
0.2 pg塩素が六つ・七つの区分。分子が重くなるぶん、要求が一段緩みます。
0.5 pg塩素が八つの区分。もっとも重く、機器にとって最も扱いにくいため値が最大です。
0.2 pgもう一系統の対象化合物。八つの区分ほどは求められず、中間の水準に置かれます。

ここが分かれ目

数値そのものより先に、並びの向きをつかむと覚えやすくなります。塩素の数が増えるほど分子は重くなり、気化しにくく、カラムの中でも尾を引きやすくなります。信号は分散し、頂点は低く、山は広がる。同じ量を注いでも読み取りにくいのですから、要求される水準を軽い区分と同じにするのは無理です。そこで塩素の数に沿って、0.1、0.2、0.5と段階的に緩めた値が置かれています。重い区分ほど厳しい値を求めるという向きは、機器のふるまいと逆です。

もう一系統の化合物については、塩素の数が幅広く分布しますが、目安としては真ん中の値が当てられています。ここを最大の値と取り違える選択肢が用意されているので、四つの数値を通して見たときに最大値が一つだけ、しかも塩素の数が最も多い区分に付くという形を覚えておくと迷いません。

そして忘れてはならないのが、この値の位置づけです。これは機器そのものの体調を確かめるための関門であって、測定結果として報告する下限とは別のものです。前処理を通した実際の試料では、空試験の値やそのばらつきが加わるので、報告できる下限はこれより高いところに来ます。装置の点検で得た数字を、そのまま報告値の根拠として使うのは誤りです。そのうえで、これらの値を採取量で割ると濃度の下限になるという関係につながっていきます。

覚え方

  • 塩素が増えるほど値も緩む。四・五で0.1、六・七で0.2、八で0.5。
  • もう一系統の対象化合物は0.2 pg。最大値ではなく中間に置かれる。
  • 重い分子ほど気化しにくく尾を引く。だから求める水準を緩める。
  • 示された値を上回る状態なら、器具や機器を整えてから測定に入る。
  • 装置の点検値と、報告できる下限は別物。後者には空試験の影響が乗る。

理解度チェック

Q.

塩素の数が多い区分ほど、求められる値が大きくなるのはなぜですか。

分子が重く気化しにくいため、同じ量でも信号が読み取りにくいからです。機器のふるまいに合わせて水準を緩めています。

Q.

この値は、測定結果として報告する下限と同じものですか。

別のものです。これは装置の状態を確かめるための関門で、報告する下限には前処理や空試験の影響が加わります。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成29年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF
  • JIS K 0311「排ガス中のダイオキシン類の測定方法」(機器の点検に用いる下限値)