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平成29年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問1を解説|集じん装置を分ける軸と選ぶ軸

平成29年度 ダイオキシン類特論 問1は、粉じんを気流から分け取る装置の分け方・選び方・多段の組み方を述べた文章の正誤問題です。下線を引いた五か所から、誤っているものを選びます。

この問題のポイント

装置の分け方は、何の力で粒子を気流から引きはがすかという原理の違いに沿っています。重さに任せる方法、回して振り飛ばす方法、向きを変えて振り落とす方法、電気の力で引き寄せる方法、そして目の細かい層でこし取る方法があり、それぞれ得意な粒子の細かさと通気の抵抗が違います。ここから選び方が決まり、粗い粒子を先に落としてから細かい粒子を仕上げる多段の構成も出てきます。引っかけの核心は、装置ごとに使える範囲を決めているのが何かという一語です。粒子の化学的な中身ではなく、粒子の大きさが守備範囲を決めます。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(2)(誤っている記述)

各選択肢の正誤

下線語句読み解き
(1)慣性力集じん気流の向きを急に変え、曲がりきれない粒子を壁に当てて落とす方式です。重さ・遠心力・電気・ろ過と並ぶ独立した原理として数えられます。
(2)成分範囲×(誤り) 装置ごとに違うのは、どのくらいの細かさの粒子まで捕まえられるかという粒径の守備範囲です。化学組成の幅で線を引くわけではありません。
(3)処理対象ガス温度、湿り、腐食性、含まれる粉じんの量や付着のしやすさなど、相手の性状に合わせて選ばなければ装置は性能を出せません。
(4)ダスト濃度前段に置く装置の役目は、粗い粒子をまとめて落として後段に届く量を減らすことです。後段の負担と払い落としの手間が軽くなります。
(5)微粒子前段で取りきれずに残るのは細かい粒子です。後段はそこを受け持ち、二段合わせて高い性能に仕上げます。

下線(2)のポイント(ここが誤り)

装置の性能は、粒子ひとつひとつをどれだけ捕まえられるかという割合で表され、その割合は粒子の直径によって大きく変わります。重さや気流の曲がりを使う方式は、質量が大きくて流れに乗りきれない粗い粒子には強い一方、軽くて流れに素直に従う細かい粒子はそのまま通り抜けます。逆に、電気の力で引き寄せる方式や繊維の層でこし取る方式は、細かい粒子まで手が届きます。つまり使える範囲を決めているのは粒径であって、粒子が何でできているかではありません。

もちろん、粒子の中身がまったく無関係というわけではありません。電気を通しにくい粉じんは電極の上で逆向きの放電を起こし、粘り気のある粉じんは繊維の目をふさぎます。ただしそれらは使えるかどうかの制約条件であって、この範囲まで捕れると示すための物差しではありません。物差しとして並ぶのは、捕まえられる粒子の細かさ、全体としての捕集の割合、そして通気の抵抗です。成分の幅という言い方そのものが、装置の性能を測る指標になっていない点を見抜けるかどうかが分かれ目になります。

覚え方

  • 分類の軸は粒子を引きはがす力の種類。重さ・遠心力・慣性・電気・ろ過。
  • 性能の物差しは、捕れる粒子の細かさ・捕集の割合・通気の抵抗の三つ。
  • 粗い粒子は力ずくの方式、細かい粒子は電気とろ過が受け持つ。
  • 多段の構成は「前段で量を減らし、後段で細かさを仕上げる」分業。
  • 粉じんの性状は使用可否の条件であって、性能の物差しではない。

理解度チェック

Q.

集じん装置の使える範囲は、何によって線が引かれますか。

粒子の大きさです。方式ごとに得意な粒径の帯が決まっており、化学組成で範囲が決まるわけではありません。

Q.

二台をつないで使うとき、前段と後段の役割はどう違いますか。

前段は量を減らし、後段は細かい粒子を仕上げます。粗い粒子を先に落として後段の負担を軽くします。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成29年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF