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平成29年度 公害防止管理者 大規模大気特論 問1を解説|出口径を広げると吐出速度は落ちる

平成29年度 大規模大気特論 問1は、煙突の出口や周りの構造物のところで起きるダウンウォッシュを抑えるための設備改修について、誤っているものを選ぶ正誤問題です。

この問題のポイント

この問題は、煙が高く上がらずに煙突や建物のすぐ風下で引きずり降ろされる現象を、設備側の手当てでどう防ぐかを問うています。防ぎ方は煙の勢いを強める方向と気流を乱す物から遠ざける方向の二系統しかありません。引っかけの核心は、寸法を大きくする改修が一見すると有利に思えるのに、ガス量が変わらない条件では逆に働くものが混ぜてある点です。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(1)(誤っている記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
(1)×(誤り)排出ガス量を変えないまま出口の断面積だけ広げると、煙が吹き出す速さが落ちます。勢いを失った煙は煙突の後ろにできる渦に取り込まれやすくなり、抑制どころか助長する改修です。
(2)○(正しい)煙の出口が、地物のつくる乱れの層より上へ抜けるようになるため、巻き込まれにくくなります。
(3)○(正しい)出口の寸法が同じなら、流す量を増やした分だけ吹き出す速さが上がり、煙が下降流に負けにくくなります。
(4)○(正しい)巻き込みの原因が近接した建物側にある場合、後流の届かない位置へ移せば影響を受けません。
(5)○(正しい)排ガスが高温のままなら浮力が大きく、煙が自力で上昇して有効煙突高さを稼げます。

選択肢(1)のポイント(ここが誤り)

煙が上へ抜けるか引き下ろされるかは、吹き出す速さ横風の強さの綱引きで決まります。吹き出す速さは、流すガスの体積を出口の断面積で割った値です。出口の直径を広げれば断面積は直径の二乗に比例して増えるので、ガス量が同じままなら吹き出す速さは急激に落ちます。直径を2倍にすれば速さは4分の1です。

速さを失った煙は、煙突そのものが風下側につくる負圧の渦に吸い込まれ、煙突に沿って下へ引きずり降ろされます。その結果、煙突のすぐ足元で地上濃度が跳ね上がるという、煙突を建てた目的と正反対の状態を招きます。「出口を広げれば煙がよく広がって薄まる」という直感は、ここでは通用しません。

残る改修はいずれも、煙の勢いを増すか、気流を乱す物から距離をとるかのどちらかに当てはまります。改修案を見たら吹き出す速さと浮力がどちら向きに動くかを先に判定するのが、この型の問題の解き方です。

覚え方

  • ダウンウォッシュ対策は煙の勢いを上げる/乱す物から離すの二系統。
  • 吹き出す速さ=ガス量÷出口断面積。ガス量が同じなら、出口を広げるほど速さは落ちる
  • 排ガスを冷やさずに出せば浮力が残る。有効煙突高さは実際の高さ+煙の上昇分
  • 建物が原因の巻き込みは、煙突を高くするか建物から離すかで断ち切る。

理解度チェック

Q.

ダウンウォッシュが起きると、なぜ困るのですか。

煙が高く上がらないまま煙突や建物のすぐ風下で地表に降りてくるため、近くの地上濃度が高くなるからです。煙突を高くして遠くまで薄めるという設計の前提が崩れます。

Q.

排出ガス量を変えずに吹き出す速さを上げるには、どうすればよいですか。

出口の断面積を小さくすることです。逆に出口径を広げると、同じガス量でも速さが落ちて巻き込まれやすくなります。

この問題に関連する用語解説

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成29年度 公害防止管理者等国家試験 大規模大気特論 問題」(公式PDF