防振材の種類とは?防振ゴム・金属ばね・空気ばねの違いを整理
3つの固有振動数の範囲が、そのまま毎年出ます。数字を材料と結びつけておけば、表の穴埋めも正誤判定も同じ知識で片づきます。
この記事の要点
固有振動数は空気ばね0.7〜3.5Hz、金属ばね1〜10Hz、防振ゴム4〜15Hzです。
- 低い振動数まで下げられるのは空気ばね
- 減衰性能は金属ばねがなし、防振ゴムがあり
- 防振ゴムは耐熱性・耐寒性が金属ばねより劣る
機械を弾性支持して揺れの伝わりを断つとき、何を挟むかで性能が変わります。振動伝達率を下げるには固有振動数を低くする必要があり、そこで材料の選択が効いてきます。防振ゴム・金属ばね・空気ばねの3つを、数字と性質の両面から並べて整理します。
防振材の種類とは
防振材は、機械と床の間に入れて振動の伝わりを弱める弾性支持材です。実用されているのは防振ゴム・金属ばね・空気ばねの3種類で、金属ばねはさらに重ね板ばね・コイルばね・皿ばねに分かれます。
どれを選ぶかは、実現したい固有振動数で決まります。加振振動数より十分低い固有振動数にできる材料でなければ、防振になりません。
3つを並べて比べる
| 項目 | 金属ばね | 空気ばね | 防振ゴム |
|---|---|---|---|
| 固有振動数 | 1〜10Hz | 0.7〜3.5Hz | 4〜15Hz |
| 減衰性能 | なし | 使用法による | あり |
| 高周波振動の絶縁性 | やや問題がある | 非常によい | よい |
| 必要空間 | よい | よい | 非常によい |
最も低い振動数まで下げられるのが空気ばね、場所を取らないのが防振ゴム、という並びです。金属ばねだけが減衰性能を持ちません。
実用できる固有振動数の範囲。空気ばねが最も低い側まで届く。
防振ゴムの特徴
防振ゴムは小型かつ軽量で、機器への取り付けも容易です。形状の選択が比較的自由で、1個の防振ゴムで3方向のばね定数を選択できます。「振動絶縁は1方向のみ」という記述は誤りです。
材料には天然ゴムのほかに合成ゴムも使われます。高周波振動の絶縁にも有効ですが、耐熱性・耐寒性は金属ばねに比べると劣ります。「あらゆる環境で使用できる」という書き方は誤りになります。設計では動的ばね定数を考慮する必要があります。
金属ばねと空気ばね
金属ばねは、重ね板ばね・コイルばね・皿ばねの3種類とも固有振動数1〜10Hz程度の範囲で設計できます。重ね板ばねは板間の相対運動で減衰を得るため高周波振動の絶縁性が悪く、動的ばね定数の振幅依存性が大きくなります。コイルばねの水平方向と軸方向のばね定数の比は、通常0.7〜1の範囲です。皿ばねは上下方向にばね作用をもち、それ以外の方向には働きません。
空気ばねは、空気供給源・補助タンク・自動高さ調整弁と組み合わせて用います。ばねの高さ・支持荷重・ばね定数をそれぞれ独立に広い範囲で選べる点が特徴です。高周波振動に対する絶縁性は金属ばねよりも良く、固有振動数も防振ゴムより低くできます。ただしゴム膜をもつため、防振ゴムと同じように使用環境を考える必要があります。
騒音・振動特論での問われ方
防振材の種類は、騒音・振動特論で令和元年度から令和6年度までに6回出ています。
| 年度・問 | 問われ方 | 公式正答 |
|---|---|---|
| 令和元年度 問23 | 3種類の固有振動数の組合せを選ぶ | 2 |
| 令和3年度 問22 | 防振ゴムの振動絶縁は1方向のみ、が誤り | 3 |
| 令和4年度 問23 | 特徴表から種別の組合せを選ぶ | 1 |
| 令和5年度 問23 | 空気ばねの高周波絶縁性は金属ばねより悪い、が誤り | 4 |
| 令和6年度 問22 | 防振ゴムはあらゆる環境で使用できる、が誤り | 4 |
| 令和6年度 問23 | 皿ばねは上下方向以外にもばね作用を有する、が誤り | 5 |
令和元年度と令和4年度は同じ3つの数字を、組合せ問題と表の穴埋めという別の形で聞いています。数字さえ覚えていれば、どちらの形でも答えられます。
混同しやすい用語
空気ばね と 防振ゴム
固有振動数の範囲が正反対です。
空気ばねは0.7〜3.5Hzで最も低く、防振ゴムは4〜15Hzで最も高い側です。低い振動数の防振には空気ばね、場所を取りたくないときは防振ゴム、と用途で覚えます。
理解度チェック
防振ゴムを用いた弾性支持系の固有振動数は、およそ何Hzの範囲か。
答え:4〜15Hz
金属ばねは1〜10Hz、空気ばねは0.7〜3.5Hzです。
皿ばねは、上下方向以外にもばね作用をもつか。
答え:もたない
重ね板ばね・コイルばね・皿ばねは、いずれも固有振動数1〜10Hz程度で設計できます。
まとめ
防振材は、固有振動数の範囲を材料と結びつけて覚えます。
空気ばねが0.7〜3.5Hz、金属ばねが1〜10Hz、防振ゴムが4〜15Hzです。減衰性能は金属ばねになく、防振ゴムにはあります。
防振ゴムの耐熱性・耐寒性が金属ばねより劣る点も、あわせて押さえておきます。
参考
- 防振材の種類(防振ゴム・金属ばね・空気ばねの固有振動数、減衰性能、高周波振動の絶縁性、必要空間、重ね板ばね・コイルばね・皿ばねの特徴)
- 一般社団法人 産業環境管理協会 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 出題範囲・公式正答(令和元年度 問23、令和3年度 問22、令和4年度 問23、令和5年度 問23、令和6年度 問22・問23)
※ この記事の確認日:2026年8月
▼この用語が出た過去問▼
- 令和元年 騒音・振動特論 問23
- 令和3年 騒音・振動特論 問22
- 令和4年 騒音・振動特論 問23
- 令和5年 騒音・振動特論 問23
- 令和6年 騒音・振動特論 問22
- 令和6年 騒音・振動特論 問23
まちがえやすいポイント
3つの数字の範囲が、材料を入れ替えて出されます。
低い順に空気ばね、金属ばね、防振ゴムです。減衰性能は金属ばねが「なし」で、防振ゴムが「あり」になります。