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水圧試験の前に、ボイラーはどう準備しておくの?
この記事の要点
水圧試験とは、ボイラーに水を満たして圧力をかけ、漏れや変形がないかを調べる試験のことです。性能検査で行います。
部品ごとに扱いが決まっています。安全弁・逃がし弁は遮断板で塞ぐ、圧力計は本体に直接付ける、差圧応用の機器は外す。
試験後、異状が認められない場合は圧力をできるだけ徐々に下げます。
水圧試験とは、ボイラーに水を満たして圧力をかけ、漏れや変形がないかを調べる試験です。性能検査で行います。
かけるのは、通常の使用より高い圧力です。だから本体は耐えても、付いている部品のほうが先に音を上げます。
準備は、その部品ごとに扱いを決めていく作業です。吹いてしまうものは塞ぎ、閉じられるものは閉止し、正確に測るものは直接付け、壊れるものは外します。
| 扱い | 対象 | やり方 |
|---|---|---|
| 塞ぐ | フランジ形の安全弁・逃がし弁 | 取付け部のフランジに遮断板を当てて塞ぐ |
| 閉止する | 止め弁 | 空気抜き用止め弁だけを残し、他の止め弁を完全に閉止する。止め弁閉止によらない部分はプラグまたは遮断板でふさぐ |
| 直接付ける | 水圧試験用の圧力計 | ボイラー本体に直接取り付ける |
| 外す | 差圧応用の機器 | 取り付けたままにはしない |
水を張る前に空気抜弁を開き、他の止め弁を完全に閉止します。空気が残っていると、圧力をかけても空気が縮むだけで、正しく試験できません。
安全弁は、設定圧力になると自動的に開く弁です。水圧試験では通常より高い圧力をかけるので、そのままでは吹いてしまいます。
そこで、フランジ形のものは取付け部のフランジに遮断板を当てて塞ぎます。弁そのものを試験圧力から切り離す形です。
ばねを締め付けて弁を押さえる、というやり方はとりません。締め付ければ設定圧力が変わってしまい、試験が終わったあとに調整をやり直すことになります。弁には手を触れず、手前で切り離すのが遮断板です。
差圧応用の機器は、2点の圧力差で動く計器類です。差圧式流量計のように、入口と出口の圧力の差を読みます。
水圧試験では、系統の一部だけに高い圧力がかかることがあります。片側だけに試験圧力がかかれば、想定を超えた差圧がかかって壊れます。
だから、取り付けたままにはしません。
簡単に言えば、両側から同じだけ押されることを前提にした部品です。片側だけ押されると耐えられません。
水圧試験用の圧力計は、ボイラー本体に直接取り付けます。
通常の運転では、ブルドン管に蒸気が入らないようサイホン管を間に挟みます。しかし水圧試験は水で行うので、蒸気を止める必要がありません。
途中に何も挟まないほうが、本体にかかっている圧力をそのまま読めます。細い通路や弁を経由すると、指示が遅れたり誤差が出たりします。
混同しやすい用語の整理
安全弁はフランジに遮断板を当てて塞ぐ。ばねを締め付ければ設定圧力が変わるので、弁には手を触れず手前で切り離す。
差圧応用の機器は取り付けたままにしない。2点の圧力差で動くので、片側だけに試験圧力がかかると壊れる。
水圧試験用の圧力計は本体に直接。通常運転の圧力計はサイホン管を挟む(蒸気を止めるため)。水で行う試験では蒸気を止める必要がない。
性能検査の水圧試験は、整備の作業の科目で3回出ています(令和7年4月 問3、令和7年10月 問3、令和8年4月 問4)。準備の段取りと、試験中の進め方、後処理の圧力の下げ方の3か所が動きます。関係法令の科目にも水圧試験は出ますが、そちらは検査の手続の話です。
| 回・問 | 問われ方/引っかけ |
|---|---|
| 令和7年4月 問3 | 「常用圧力で異状が認められないことを確認し、その後、30分程度の間に限り、水圧を上昇、降下させて、漏れの有無を調べる」とした記述=誤り。フランジ形の安全弁・逃がし弁を遮断板で塞ぐこと、水を張る前に空気抜弁を開き他の止め弁を閉止すること、圧力計を本体に直接取り付けること、試験後に圧力をできるだけ徐々に下げることは、いずれも正しい側 |
| 令和7年10月 問3 | 適切でないものを選ばせる形で、正答は(3)=A,D。A「ばね式安全弁は、ばねを締め付けることにより弁座接触部に密着させ密閉する」とD「差圧応用の機器は、取り付けたままとする」。圧力計を本体に直接取り付けること、空気抜き用止め弁だけを残して他を閉止しプラグや遮断板でふさぐことは正しい側 |
| 令和8年4月 問4 | 正答は(1)=A,B,C。誤りが2つで、Dは令和7年4月と同じ「30分程度の間に限り」の文、Eは「水圧試験後、異状が認められないときは、速やかに圧力を下げる」。令和7年4月では「できるだけ徐々に下げる」が正しい側で出ており、同じ後処理を逆向きに書いた形 |
3回とも正しい側で出ているのは、圧力計を本体に直接取り付けることです。遮断板で塞ぐこと、空気抜弁を開くことも、正しい側で繰り返し出ています。
上げるときも下げるときも、圧力は急に動かしません。
安全弁を遮断板で塞ぐのはなぜか。
水圧試験では通常より高い圧力をかけるので、そのままでは安全弁が吹いてしまうためです。ばねを締め付けて押さえるのではなく、フランジに遮断板を当てて試験圧力から切り離します。
差圧応用の機器を取り付けたままにしないのはなぜか。
2点の圧力差で動く計器だからです。片側だけに試験圧力がかかると、想定を超えた差圧がかかって壊れます。
水を張る前に空気抜弁を開くのはなぜか。
中の空気を水と入れ替えるためです。空気が残っていると、圧力をかけても空気が縮むだけで、正しく試験できません。
水圧試験用の圧力計を本体に直接取り付けるのはなぜか。
本体にかかっている圧力をそのまま読むためです。水で行う試験なので、通常運転のようにサイホン管で蒸気を止める必要がありません。途中に何か挟むと、指示が遅れたり誤差が出たりします。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月
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