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水圧試験の準備とは?塞ぐ・閉止する・直接付ける・外す

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水圧試験の前に、ボイラーはどう準備しておくの?

この記事の要点

水圧試験とは、ボイラーに水を満たして圧力をかけ、漏れや変形がないかを調べる試験のことです。性能検査で行います。

部品ごとに扱いが決まっています。安全弁・逃がし弁は遮断板で塞ぐ圧力計は本体に直接付ける差圧応用の機器は外す

試験後、異状が認められない場合は圧力をできるだけ徐々に下げます

水圧試験とは、ボイラーに水を満たして圧力をかけ、漏れや変形がないかを調べる試験です。性能検査で行います。

かけるのは、通常の使用より高い圧力です。だから本体は耐えても、付いている部品のほうが先に音を上げます。

準備は、その部品ごとに扱いを決めていく作業です。吹いてしまうものは塞ぎ閉じられるものは閉止し正確に測るものは直接付け壊れるものは外します

準備での4つの扱い

扱い 対象 やり方
塞ぐ フランジ形の安全弁・逃がし弁 取付け部のフランジに遮断板を当てて塞ぐ
閉止する 止め弁 空気抜き用止め弁だけを残し、他の止め弁を完全に閉止する。止め弁閉止によらない部分はプラグまたは遮断板でふさぐ
直接付ける 水圧試験用の圧力計 ボイラー本体に直接取り付ける
外す 差圧応用の機器 取り付けたままにはしない

水を張る前に空気抜弁を開き、他の止め弁を完全に閉止します。空気が残っていると、圧力をかけても空気が縮むだけで、正しく試験できません。

安全弁の塞ぎ方

ボイラー本体の上に短い管が立ち、その上のフランジに安全弁が付いている。上下のフランジの間に遮断板がはさまっていて、本体から上がってきた試験圧力はそこで止まる。安全弁のばねには手を触れない。
模式図。遮断板が入る位置を示したもので、形・寸法は実物どおりではない。

安全弁は、設定圧力になると自動的に開く弁です。水圧試験では通常より高い圧力をかけるので、そのままでは吹いてしまいます。

そこで、フランジ形のものは取付け部のフランジに遮断板を当てて塞ぎます。弁そのものを試験圧力から切り離す形です。

ばねを締め付けて弁を押さえる、というやり方はとりません。締め付ければ設定圧力が変わってしまい、試験が終わったあとに調整をやり直すことになります。弁には手を触れず、手前で切り離すのが遮断板です。

差圧応用の機器の扱い

差圧応用の機器は、2点の圧力差で動く計器類です。差圧式流量計のように、入口と出口の圧力の差を読みます。

水圧試験では、系統の一部だけに高い圧力がかかることがあります。片側だけに試験圧力がかかれば、想定を超えた差圧がかかって壊れます。

だから、取り付けたままにはしません。

簡単に言えば、両側から同じだけ押されることを前提にした部品です。片側だけ押されると耐えられません。

圧力計の取り付け方

水圧試験用の圧力計は、ボイラー本体に直接取り付けます。

通常の運転では、ブルドン管に蒸気が入らないようサイホン管を間に挟みます。しかし水圧試験は水で行うので、蒸気を止める必要がありません。

途中に何も挟まないほうが、本体にかかっている圧力をそのまま読めます。細い通路や弁を経由すると、指示が遅れたり誤差が出たりします。

整備での確認ポイント

  • フランジ形の安全弁と逃がし弁は、取付け部のフランジに遮断板を当てて塞ぐ。ばねを締め付けるのではありません。
  • 水を張る前に空気抜弁を開き、他の止め弁を完全に閉止する。空気が残ると圧力がかかりません。
  • 止め弁閉止によらない部分は、プラグまたは遮断板でふさぐ。弁で閉じられない箇所を残さないためです。
  • 水圧試験用の圧力計は、ボイラー本体に直接取り付ける。途中に何も挟みません。
  • 差圧応用の機器は取り付けたままにしない。片側だけに試験圧力がかかると壊れます。
  • 試験後、異状が認められない場合は、圧力をできるだけ徐々に下げる。急に下げません。

混同しやすい用語の整理

遮断板で塞ぐ と ばねを締め付ける

安全弁はフランジに遮断板を当てて塞ぐ。ばねを締め付ければ設定圧力が変わるので、弁には手を触れず手前で切り離す。

取り付けたままにする と 外す

差圧応用の機器取り付けたままにしない。2点の圧力差で動くので、片側だけに試験圧力がかかると壊れる。

本体に直接 と サイホン管を挟む

水圧試験用の圧力計は本体に直接。通常運転の圧力計はサイホン管を挟む(蒸気を止めるため)。水で行う試験では蒸気を止める必要がない。

過去問でどう問われたか

性能検査の水圧試験は、整備の作業の科目で3回出ています(令和7年4月 問3、令和7年10月 問3、令和8年4月 問4)。準備の段取りと、試験中の進め方、後処理の圧力の下げ方の3か所が動きます。関係法令の科目にも水圧試験は出ますが、そちらは検査の手続の話です。

回・問 問われ方/引っかけ
令和7年4月 問3 「常用圧力で異状が認められないことを確認し、その後、30分程度の間に限り、水圧を上昇、降下させて、漏れの有無を調べる」とした記述=誤り。フランジ形の安全弁・逃がし弁を遮断板で塞ぐこと、水を張る前に空気抜弁を開き他の止め弁を閉止すること、圧力計を本体に直接取り付けること、試験後に圧力をできるだけ徐々に下げることは、いずれも正しい側
令和7年10月 問3 適切でないものを選ばせる形で、正答は(3)=A,D。A「ばね式安全弁は、ばねを締め付けることにより弁座接触部に密着させ密閉する」とD「差圧応用の機器は、取り付けたままとする」。圧力計を本体に直接取り付けること、空気抜き用止め弁だけを残して他を閉止しプラグや遮断板でふさぐことは正しい側
令和8年4月 問4 正答は(1)=A,B,C。誤りが2つで、Dは令和7年4月と同じ「30分程度の間に限り」の文、Eは「水圧試験後、異状が認められないときは、速やかに圧力を下げる」。令和7年4月では「できるだけ徐々に下げる」が正しい側で出ており、同じ後処理を逆向きに書いた

3回とも正しい側で出ているのは、圧力計を本体に直接取り付けることです。遮断板で塞ぐこと、空気抜弁を開くことも、正しい側で繰り返し出ています。

引っかけの2つのパターン

  • ① 部品に手を加えさせる:安全弁のばねを締め付ける、差圧応用の機器を付けたままにする(令和7年10月)。準備は、部品を試験圧力から切り離す作業です。
  • ② 後処理の速さを逆にする:試験後の圧力を「速やかに下げる」としました(令和8年4月E)。正しくは、できるだけ徐々に下げます(令和7年4月で正しい側)。

上げるときも下げるときも、圧力は急に動かしません。

理解度チェック

Q.

安全弁を遮断板で塞ぐのはなぜか。

水圧試験では通常より高い圧力をかけるので、そのままでは安全弁が吹いてしまうためです。ばねを締め付けて押さえるのではなく、フランジに遮断板を当てて試験圧力から切り離します。

Q.

差圧応用の機器を取り付けたままにしないのはなぜか。

2点の圧力差で動く計器だからです。片側だけに試験圧力がかかると、想定を超えた差圧がかかって壊れます。

Q.

水を張る前に空気抜弁を開くのはなぜか。

中の空気を水と入れ替えるためです。空気が残っていると、圧力をかけても空気が縮むだけで、正しく試験できません。

Q.

水圧試験用の圧力計を本体に直接取り付けるのはなぜか。

本体にかかっている圧力をそのまま読むためです。水で行う試験なので、通常運転のようにサイホン管で蒸気を止める必要がありません。途中に何か挟むと、指示が遅れたり誤差が出たりします。

まとめ

  • 塞ぐ=フランジ形の安全弁・逃がし弁は、取付け部のフランジに遮断板を当てる
  • 閉止する=空気抜き用止め弁だけを残し、他は完全に閉止。閉止によらない部分はプラグか遮断板
  • 直接付ける=水圧試験用の圧力計はボイラー本体に直接
  • 外す差圧応用の機器は取り付けたままにしない
  • 水を張る前に空気抜弁を開く。試験後、異状がなければ圧力をできるだけ徐々に下げる

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公益財団法人 安全衛生技術試験協会が公開している公表試験問題と正答を出発点に、ボイラー構造規格・ボイラー及び圧力容器安全規則・日本産業規格などの一次資料にあたって、出題された論点を整理しています。

参考資料

  • 公益財団法人 安全衛生技術試験協会「ボイラー整備士免許試験 公表試験問題」令和7年4月公表 問3、令和7年10月公表 問3、令和8年4月公表 問4

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