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ボイラーの附属設備・附属品の点検とは?水側とガス側で探すもの

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ボイラーの周りに付く装置って、どこに何を探せばいいの?

この記事の要点

附属設備・附属品の点検とは、本体の周りに付く装置を、それぞれの面に応じたものを探しながら見ていく作業のことです。

水側ならスケールやスラッジガス側ならすす・付着物・腐食です。

ドラム内の気水分離器は、取り外してボイラーの外に出して清掃します。

附属設備は、本体の外に付いて熱を回収したり、蒸気を整えたりする装置です。エコノマイザや空気予熱器がこれにあたります。

これらを点検するとき、探すものは装置ごとに違います。同じ管でも、水が通る面とガスが通る面では、そこに付くものが別だからです。

見る面を取り違えると、点検そのものが空振りになります。装置と面と探すものを、一組にして覚えます。

点検する5つの装置

装置ごとに、見る場所と探すものが決まっています。

装置 見る面 見る場所と探すもの
過熱器 ガス側 過熱器管が貫通する部分の耐火材及びバッフルに、損傷・割れ・脱落がないか
エコノマイザ 外面=ガス側
内面=水側
外面とフィンにはすすや灰、低温腐食。スケールやスラッジが付くのは内面
再生式
空気予熱器
ガス側 煙道入口やマンホールを開放して、伝熱エレメント及びケーシングに腐食や付着物がないか
気水分離器 水側 ドラム内に装着されたものは取り外してボイラーの外に出し、さびなどをワイヤブラシやスクレッパで除去してから、水や圧縮空気で清掃する
減圧弁 蒸気側 定期的に点検し、弁体と弁座の当たり面に損傷があればコンパウンドで擦り合わせる

エコノマイザの内面と外面

エコノマイザは煙道に置いて、排ガスの余熱で管の中を通る給水を温める装置です。

だから内面が水、外面がガスになります。管の外側を通るのは燃焼ガスで、水ではありません。

エコノマイザ管を輪切りにした断面。管は煙道の中にあり、まわりを排ガスが流れる。管の内側を給水が通り、内壁にはスケールやスラッジが付く。管の外壁にはすすや灰が付き、低温腐食が起きる。同じ1本の管でも、内面と外面で探すものが正反対になる。
模式図。エコノマイザ管の輪切り。内側が水、外側がガスなので、探すものが内と外で逆になる。層の厚みの比は実物どおりではない。

スケールは、水に溶けていた成分が加熱されて固まったものです。スラッジは、それが泥状にたまったものです。どちらも水がある側にしかできません。

外面に付くのはすすや灰で、そこに起きるのは低温腐食です。硫黄を含む燃料を燃やすと、排ガスに含まれる硫黄分が低い温度で結露して、ガス側の面を侵します。

同じエコノマイザでも、内面と外面では探すものが正反対になります。管を見るときは、まずどちら側を見ているのかを決めます。

気水分離器を外に出す手順

気水分離器は、蒸気に混ざった水滴を分けてドラムに戻す装置です。ドラムの中に組み込まれています。

そのままでは裏側に手が届きません。ドラムのマンホールから体を入れても、装置の陰になる面は見えず、こすることもできません。

だから取り外して外に出します。外に出せば全面が見えるので、ワイヤブラシやスクレッパでさびを落とし、そのあと水や圧縮空気で洗い流せます。順序は「削る → 吹き飛ばす」です。

化学洗浄のときは扱いが変わります。化学洗浄の準備では、給水内管や気水分離器など洗浄を必要としない装着物は撤去します。機械的清浄では外して洗いますが、化学洗浄では外して缶の外に置いておきます。洗浄液に触れさせないためです。

過熱器・空気予熱器・減圧弁で見るところ

過熱器で見るのは、管が貫通する部分の耐火材とバッフルです。管そのものより、その周りが崩れていないかを見ます。

再生式空気予熱器は、煙道入口やマンホールを開放して中に入り、伝熱エレメントとケーシングを見ます。回る伝熱体を持つ形式なので、この部品があります。

減圧弁弁体と弁座の当たり面です。損傷があればコンパウンドで擦り合わせます。この手当ては安全弁と同じで、弁の当たり面はコンパウンドで仕上げるのが共通の作法です。

整備での確認ポイント

  • その面が水側かガス側かを先に決める。水側ならスケール・スラッジ、ガス側ならすす・付着物・腐食を探します。
  • エコノマイザ管の外面とフィンでは、すすや灰と低温腐食を見る。スケールは内面です。
  • ドラム内の気水分離器は取り外して外に出す。中に入ったまま済ませません。
  • さびはワイヤブラシやスクレッパで除去し、そのあと水や圧縮空気で清掃する。
  • 過熱器は、管が貫通する部分の耐火材とバッフルの損傷・割れ・脱落を見る。
  • 減圧弁は弁体と弁座の当たり面を見て、損傷があればコンパウンドで擦り合わせる。

混同しやすい用語の整理

エコノマイザの外面 と 内面

外面はガス側で、すすや灰、低温腐食を探す。内面は水側で、スケールやスラッジが付く。同じ管でも、面が違えば探すものが変わる。

気水分離器の扱い

機械的清浄では取り外して外に出して清掃。化学洗浄の準備では撤去する。どちらも外すが、目的が違う。

伝熱エレメント

再生式空気予熱器の回る伝熱体。煙道入口やマンホールを開放して、ケーシングとともに腐食や付着物を点検する。

過去問でどう問われたか

附属設備・附属品の点検の要領は、令和5年10月 問8に1問まるごと出ています。5つの装置が並び、崩れているのはエコノマイザの1か所だけです。附属品は、化学洗浄の準備(令和6年10月 問7)と水側の清浄作業(令和8年4月 問2)にも出てきますが、そちらではどちらも正しい側でした。

回・問 問われ方/引っかけ
令和5年10月 問8 「エコノマイザは、エコノマイザ管の外面及びフィンにスケールやスラッジの付着がないか点検する」とした記述=誤り(正しくは外面とフィンにはすすや灰と低温腐食。スケールやスラッジは内面)。過熱器の耐火材・バッフル、再生式空気予熱器の伝熱エレメント・ケーシング、気水分離器の取り外し清掃、減圧弁の当たり面は、いずれも正しい側
令和6年10月 問7 化学洗浄の準備で「給水内管、気水分離器などの胴内の洗浄を必要としない装着物は撤去する」=正しい側。この回の誤りは空気抜き用止め弁を取り付けたままとする記述
令和8年4月 問2 「吹出し管、給水管、安全弁などの附属品及びその管台や取付部は内面を清掃するが、特に圧力計、水面計、自動制御系検出用の穴は完全に清掃する」=正しい側。この回の誤りはスケールハンマの刃先を鋭利なものにするという記述

崩れた1か所は、装置の名前ではなく面と探すものの組合せでした。

引っかけのパターン

  • 水側の言葉をガス側の面に付ける:エコノマイザ管の外面とフィンに、水側でしか生じないスケールやスラッジを探させました(令和5年10月)。装置の名前も、点検するという動作も正しく、面と探すものの組合せだけがずれています。

その面に水があるかどうかで、探すものが決まります。

理解度チェック

Q.

エコノマイザ管の外面にスケールやスラッジが付かないのはなぜか。

エコノマイザは管の中に給水を通し、外側を燃焼ガスが流れる装置だからです。スケールもスラッジも水に溶けていた成分から生じるので、水がある内面にしかできません。

Q.

ドラム内の気水分離器を外に出して清掃するのはなぜか。

ドラムの中に組み込まれていて、そのままでは装置の陰になる面に手が届かないためです。外に出せば全面が見えます。

Q.

さびを落としたあとに水や圧縮空気を使うのはなぜか。

ワイヤブラシやスクレッパで削り落としたさびの粉が残るためです。削る、吹き飛ばす、の順で一組になります。

Q.

減圧弁の当たり面に損傷があればどうするか。

コンパウンドで擦り合わせます。弁の当たり面をコンパウンドで仕上げるのは、安全弁と共通の作法です。

まとめ

  • 水側はスケール・スラッジ、ガス側はすす・付着物・腐食
  • エコノマイザ管の外面はガス側。スケールやスラッジが付くのは内面
  • ドラム内の気水分離器は取り外して外に出して清掃する
  • さびはワイヤブラシ・スクレッパで除去し、水や圧縮空気で清掃する
  • 過熱器は耐火材とバッフルの損傷・割れ・脱落を見る
  • 再生式空気予熱器は伝熱エレメントとケーシングを見る
  • 減圧弁は弁体と弁座の当たり面。損傷があればコンパウンドで擦り合わせる

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公益財団法人 安全衛生技術試験協会が公開している公表試験問題と正答を出発点に、ボイラー構造規格・ボイラー及び圧力容器安全規則・日本産業規格などの一次資料にあたって、出題された論点を整理しています。

参考資料

  • 公益財団法人 安全衛生技術試験協会「ボイラー整備士免許試験 公表試験問題」令和5年10月公表 問8、令和6年10月公表 問7、令和8年4月公表 問2

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