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オイルバーナって何をする装置なの? 方式はどこで分かれるの?
この記事の要点
オイルバーナとは、燃料油を細かい霧にして炉内へ噴射し、燃えやすくする装置のことです。
分かれ目は1つ、何が油を霧にするかです。圧力(油圧)噴霧式は油そのものの圧力、蒸気噴霧式は蒸気、ロータリカップ形の回転式は回転の遠心力です。
油圧噴霧式だけが霧化媒体を使いません。ガンタイプの土台になっているのも、この圧力噴霧式です。
燃料油をそのまま炉に入れても、塊の表面からしか燃えません。細かい霧にして噴射する装置がオイルバーナです。
霧にするには力が要ります。その力を何から取るかで方式が分かれ、名前もそこから付いています。
方式は3つ。油そのものの圧力を使う圧力(油圧)噴霧式、蒸気を当てる蒸気噴霧式、回転の遠心力を使うロータリカップ形の回転式です。
油を細かい粒に分けると、空気と触れる面積が一気に増えて、短い時間で燃え切ります。この「霧にする」ことを微粒化といいます。
微粒化のために別の流体をぶつけて吹き飛ばす場合、その流体を霧化媒体と呼びます。蒸気噴霧式でいえば蒸気がこれに当たります。
簡単に言えば、霧吹きと同じです。ボトルを強く押して液そのものの勢いで出すのが油圧噴霧式、横から空気を吹きつけて飛ばすのが蒸気噴霧式、回して振り飛ばすのがロータリカップ形、という違いになります。
| 方式 | 霧にする力 |
|---|---|
| 圧力(油圧)噴霧式 | 比較的高圧の燃料油をアトマイザ先端の旋回室に導き、ノズルから旋回させながら円すい状に噴射して微粒化する |
| 蒸気(高圧気流)噴霧式 | 比較的高圧の蒸気を霧化媒体として、燃料油を微粒化する |
| ロータリカップ形 回転(噴霧)式 |
炉に向けて広がりをもつカップを回転して生じる遠心力で油を霧化する。カップの外周から噴出する空気流によって微粒化する |
油圧噴霧式だけが霧化媒体を使いません。油そのものを高圧にして押し出します。蒸気噴霧式は蒸気という別の流体を当てて吹き飛ばします。ロータリカップ形は回して振り飛ばします。
ロータリカップ形の説明には、回転かカップが出てきます。回して振り飛ばす方式なので、この2語のどちらかが必ず含まれます。
ガンタイプオイルバーナは、圧力(油圧)噴霧式に、送風機・点火装置・安全装置などを組み込んで、取扱いを容易にしたバーナです。名前のとおり銃のような形で、小型の機器に組み込んで使います。
土台が圧力噴霧式であることには筋が通っています。蒸気噴霧式を使うには、霧化媒体である蒸気をつくる設備が別に要ります。手軽に据え付けて使う機器の土台にはなりません。油を高圧にするポンプだけで済む圧力噴霧式が向いています。
| バーナ | 内容 |
|---|---|
| センタータイプ (センターファイア形) |
空気流の中心にあるガスノズルから放射状に燃料ガスを噴射する |
| マルチスパッド (ランス)ガスバーナ |
数本のガスノズルから燃料ガスを噴射する。油アトマイザを装備して油燃料との混焼ができる |
| リングタイプ ガスバーナ |
リング状の多数のガス噴射口から燃料ガスを噴射する。油アトマイザを装備して油燃料との混焼ができる |
| 微粉炭バーナ | 微粉炭と一次空気との混合物を噴射する。噴射された混合物は燃焼室の高温輻射熱で着火し、周囲に供給される二次空気で燃焼する |
ガスバーナを分けているのはガスの出口の並び方です。中心に1つならセンタータイプ、数本ならマルチスパッド、リング状に多数ならリングタイプになります。
マルチスパッドもリングタイプも、油アトマイザを装備すれば油燃料との混焼ができます。ガスと油のどちらでも焚けるということです。
混同しやすい用語の整理
圧力噴霧式は燃料油そのものを高圧にして噴射する。霧化媒体は使わない。蒸気噴霧式は高圧の蒸気を霧化媒体として油を微粒化する。「高圧の◯◯を」の◯◯がどちらかで決まる。
ガンタイプは圧力(油圧)噴霧式に送風機・点火装置・安全装置を組み込んだもの。蒸気噴霧式ではない。
マルチスパッド(ランス)は数本のガスノズル。リングタイプはリング状の多数のガス噴射口。どちらも油燃料との混焼ができる。
燃焼装置は、令和5年10月から令和8年4月まで5回とも問29で出ています。引っかけはどれもバーナの名前に、別の方式の説明を付ける形で、狙われるのは「霧化媒体が何か」と「混焼ができるか」の2か所です。
| 回・問 | 問われ方/引っかけ |
|---|---|
| 令和5年10月 問29 | ロータリカップ形に「低圧の空気を二流に分割し、旋回を与えた一部の空気によって油膜を形成し…」とした記述=誤り(説明に回転もカップも出てこない) |
| 令和6年10月 問29 | リングタイプガスバーナを「空気との早期混合に優れているが油燃料との混焼はできない」とした記述=誤り(油アトマイザを装備すればできる) |
| 令和7年4月 問29 | ガンタイプオイルバーナの土台を「蒸気(高圧気流)噴霧式オイルバーナに、送風機、点火装置、安全装置などを組み込んで」とした記述=誤り(土台は圧力(油圧)噴霧式) |
| 令和7年10月 問29 | 蒸気(高圧気流)噴霧式に「比較的高圧の燃料油をアトマイザ先端の旋回室に導き…」とした記述=誤り(それは圧力(油圧)噴霧式の説明) |
| 令和8年4月 問29 | 油圧噴霧式に「比較的高圧の空気を霧化媒体として微粒化して」とした記述=誤り(油圧噴霧式は霧化媒体を使わない) |
ロータリカップ形の説明は回ごとに書き方が変わります。「カップを回転して生じる遠心力」(令和7年10月)、「カップの先端から油膜状に噴出し、外周から噴射する霧化空気によって」(令和7年4月・令和8年4月)、「筒の先端で飛散させ、筒の外周から噴出する空気流によって」(令和6年10月)は、いずれも正しい側で出ています。マルチスパッドの混焼、センタータイプのガスノズル、微粉炭バーナの一次空気・二次空気も同じく正しい側です。
バーナ名の直後に来る「高圧の◯◯を」の◯◯を、先に読んでください。
油圧噴霧式オイルバーナが霧化媒体を使わないのはなぜか。
燃料油そのものを高圧にして噴射し、その勢いで微粒化しているためです。別の流体をぶつける必要がありません。
ガンタイプオイルバーナの土台が圧力噴霧式なのはなぜか。
蒸気噴霧式には霧化媒体である蒸気をつくる設備が別に要るためです。油を高圧にするポンプだけで済む圧力噴霧式のほうが、送風機や点火装置を組み込んで手軽に使う機器に向いています。
ロータリカップ形の説明かどうかは、どこを見れば分かるか。
説明に「回転」または「カップ」が出てくるかです。この方式はカップを回して生じる遠心力で油を霧化するので、どちらも出てこない説明は別の方式のものです。
バーナのノズル先端にワイヤーブラシを使ってはいけないのはなぜか。
ノズルの穴が微粒化の要だからです。金属のブラシで擦ると穴の縁が傷み、霧の形が崩れて燃焼が悪くなります。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月
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