ボイラー整備士免許試験 令和7年4月公表(令和6年7月〜12月実施分)の問25は、ボイラーの附属設備に関する問題です。5つの記述のうち、適切でないものを選びます。
この問題の核心は低温腐食が管のどちら側で起こるかです。硫黄分は燃料の側にあるので、腐食するのは排ガスに触れる面です。
※ 問題文そのものは、公益財団法人 安全衛生技術試験協会が公開している公表試験問題のページで確認できます。
正解:選択肢2(適切でない記述)
| 選択肢 | 正誤 | 内容 |
|---|---|---|
| 1 | ◯(適切) | エコノマイザはフィン付き鋼管またはステンレス鋼管と管寄せで構成される |
| 2 | ×(適切でない) | 低温腐食が起こるのは排ガス側。水側ではない |
| 3 | ◯(適切) | 空気予熱器は排ガスの余熱を回収して燃焼用空気を予熱し、効率を高める |
| 4 | ◯(適切) | 放射形過熱器は火炉に設置し、主に火炎の放射熱で蒸気を過熱する |
| 5 | ◯(適切) | 中小型は熱交換式(鋼管形・プレート形)、大型は再生式の空気予熱器 |
選択肢2は「エコノマイザ管の水側は、油燃焼の場合は、燃料に含まれる硫黄分による低温腐食が発生しやすい」としています。腐食は起こりますが、起こる面が違います。
硫黄分は燃料に含まれています。燃えて排ガスに移り、水分と結び付いて硫酸の蒸気になります。この蒸気が冷えた金属面に触れて露点を下回ると、そこで液になって管を侵します。硫酸の蒸気があるのは排ガスの側なので、腐食するのは排ガスに触れる面です。管の中を流れる給水の側には、硫黄分がありません。
環境省が公開している省エネ対策の資料は、この腐食を排ガスの温度で管理するものとして書いています。
環境省「概要シート 121221 ボイラー排ガスによる給水予熱」補足説明
A重油の硫黄含有量が0.74%の場合、硫酸露点は138℃と推定される。エコノマイザーの冷端部における硫酸腐食を防止するために、8℃から14℃の温度余裕を考慮した温度(146℃から152℃)以上に保持する必要がある。液体燃料を使用する場合、硫黄含有量および硫酸露点を確認し出口燃焼ガス温度の設計値を決定すること。
守るために決めているのは出口燃焼ガス温度、つまり排ガス側の温度です。給水の温度ではありません。腐食が排ガスに触れる面で起きるからこそ、排ガスの温度を露点より上に保ちます。
冷端部とは、エコノマイザの中でも排ガスが最後に通る、いちばん温度の低い部分です。排ガスは熱を渡しながら冷えていくので、出口に近いほど露点を下回りやすくなります。
エコノマイザの低温腐食は、管のどちら側で起こるか。
排ガス側です。硫黄分は燃料に含まれ、燃焼後に排ガス中で硫酸の蒸気になります。管の中を流れる給水の側に硫黄分はありません。
低温腐食を防ぐには、何を管理するか。
出口の排ガス温度です。燃料の硫黄含有量から硫酸露点を求め、余裕を見た温度より下げないようにします。
出典
※ この記事の確認日:2026年9月