ボイラー整備士免許試験 令和6年10月公表(令和6年1月〜6月実施分)の問18は、ボイラーの附属品の管理について行わなければならない事項に関する問題です。5つの記述のうち、法令に定められていないものを選びます。
この問題の核心は返り管の凍結防止がどのボイラーの規定かです。条文は温水ボイラーと定めています。蒸気ボイラーではありません。
※ 問題文そのものは、公益財団法人 安全衛生技術試験協会が公開している公表試験問題のページで確認できます。
正解:選択肢5(法令に定められていない記述)
| 選択肢 | 正誤 | 根拠(則第28条第1項) |
|---|---|---|
| 1 | ◯(定めあり) | 第2号(過熱器用安全弁は胴の安全弁より先に作動) |
| 2 | ◯(定めあり) | 第1号(安全弁は最高使用圧力以下で作動) |
| 3 | ◯(定めあり) | 第6号(蒸気ボイラーの常用水位の表示) |
| 4 | ◯(定めあり) | 第5号(最高使用圧力を示す位置に表示) |
| 5 | ×(定めなし) | 第8号は温水ボイラーの返り管。蒸気ボイラーではない |
選択肢5は「蒸気ボイラーの返り管については、凍結しないように保温その他の措置を講ずること」としています。条文の主語が違います。
ボイラー及び圧力容器安全規則 第28条第1項第8号
温水ボイラーの返り管については、凍結しないように保温その他の措置を講ずること。
返り管は、温水暖房で送り出したお湯が戻ってくる管です。温水ボイラーの系統にあるもので、蒸気ボイラーには出てきません。戻ってくる途中で冷えるため、外気に近い場所を通れば凍る。だから保温が求められます。
この条には凍結対策がもう1つあります。第3号の逃がし管です。逃がし管も温水ボイラーの装置なので、凍結対策の対象はどちらも温水側という並びになっています。
選択肢1と2は、同じ条の第1号と第2号です。
第1号が安全弁は最高使用圧力以下で作動、第2号が過熱器用安全弁は胴の安全弁より先に作動。過熱器用を先に吹かせるのは、過熱器の中を蒸気が流れ続けるようにするためです。胴側が先に吹いて蒸気の流れが止まると、過熱器は炎にあぶられたまま冷却されず焼損します。
なお第28条第2項には、安全弁が2個以上ある場合の定めもあります。1個を最高使用圧力以下に調整したときは、他の安全弁は最高使用圧力の3%増以下で作動するよう調整できます。
返り管の凍結防止は、どのボイラーについて定められているか。
温水ボイラーです(則第28条第1項第8号)。返り管は温水暖房で送ったお湯が戻ってくる管なので、蒸気ボイラーには出てきません。同条第3号の逃がし管も温水側の装置です。
過熱器用安全弁を胴の安全弁より先に作動させるのはなぜか。
過熱器の中に蒸気を流し続けるためです。胴側が先に吹いて流れが止まると、過熱器が炎にあぶられたまま冷却されず焼損します。
出典
※ この記事の確認日:2026年9月