ボイラー整備士免許試験 令和5年10月公表(令和5年1月〜6月実施分)の問23は、ボイラーの工作に関する問題です。5つの記述のうち、適切でないものを選びます。
この問題の核心は薄い板と厚い板で、どちらの機械を使うかです。38㎛程度までは曲げローラ、それより厚いものは水圧プレス。選択肢4は入れ替わっています。
※ 問題文そのものは、公益財団法人 安全衛生技術試験協会が公開している公表試験問題のページで確認できます。
正解:選択肢4(適切でない記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ◯(適切) | 波形炉筒は、厚板でない場合には、円筒にしてから特殊ロール機で波形に成形する |
| 2 | ◯(適切) | 鏡板は、切断後にプレス成形または縁曲げ機で成形する |
| 3 | ◯(適切) | 水管の管曲げは、曲げた後も断面が真円になるようにする |
| 4 | ×(適切でない) | 38㎛まで=曲げローラ/それより厚い=水圧プレス。逆 |
| 5 | ◯(適切) | 煙管はころ広げまたは溶接で取り付け、ころ広げだけなら端部を縁曲げ |
選択肢4は「板厚が38㎛程度までの鋼板には水圧プレスを使用するが、それより厚い鋼板には曲げローラを使用する」としています。2つが入れ替わっています。
| 板厚 | 使う機械 |
|---|---|
| 38㎛程度まで | 曲げローラ |
| それより厚い | 水圧プレス |
2つの機械は力のかけ方が違います。
曲げローラは3本のローラの間に板を通し、送りながら少しずつ曲げていく機械です。1か所にかかる力はそれほど大きくないので、薄い板を連続して曲げるのに向いています。
水圧プレスは、油圧で一点を強く押して曲げます。ローラでは送りきれない厚い板でも、大きな力を集中させれば曲がります。だから厚い板はこちらです。
「厚いものほど大きな力が要る」と考えれば、順番は自然に決まります。厚板=プレスと覚えておけば逆に入りません。
選択肢5のころ広げは、管の端を管板の穴に差し込んでから、内側から工具で押し広げて密着させる方法です。溶接せずに固定できます。
ただし、ころ広げだけで留めた煙管は、火炎に触れる端部を縁曲げします。理由は、管の端が炎に直接あぶられて焼損するのを防ぐためです。端を外側に折り返しておけば、そこが肉厚になり、管板にも密着します。
選択肢1の波形炉筒は、厚板でない場合には、平らな板をいきなり波形にするのではなく、まず円筒にしてから特殊ロール機で波を付けます。炉筒を波形にするのは、熱による伸び縮みを波が吸収し、外圧にも強くなるからです。
この「厚板でない場合には」は落とせません。同じ記述が、条件だけ入れ替えて別の回に出ています。
| 回 | 条件 | 公表正答 |
|---|---|---|
| 令和5年10月 問23(1) |
厚板でない場合には | 適切 |
| 令和7年10月 問23(4) |
厚板でない場合には | 適切 |
| 令和7年4月 問24C |
厚板の場合には | 不適切 |
| 令和8年4月 問23A |
厚板の場合には | 不適切 |
波形にする工程そのものは同じで、厚板かどうかだけが違います。条件を外して覚えると、次の回で逆に取られます。
胴板の曲げ加工で、板厚38mm程度までと、それより厚い板では、それぞれ何を使うか。
38mm程度までは曲げローラ、それより厚い鋼板には水圧プレスを使います。ローラは送りながら少しずつ曲げる機械なので薄板向き、プレスは一点に大きな力をかけられるので厚板向きです。
ころ広げだけで取り付けた煙管の端部を縁曲げするのはなぜか。
火炎に直接あぶられる端部が焼損するのを防ぐためです。端を折り返すことでそこが肉厚になり、管板への密着も高まります。
出典
※ この記事の確認日:2026年9月