建築業界の分析

最終更新日: 2017.09.23

耐震性で決める、マンション・アパート選びのポイントについて

ども、tyazukeです。

一般の方と話している、「どんなマンションが地震に強いっすかね?」的なことを聞かれます。

「鉄筋はダメ?軽量鉄骨とは何が違うの?」というチグハグな質問まで飛び出すので、懇切丁寧に一から説明する次第です。

 

今回は、そんな建築素人の方に向けに、耐震性で決めるマンション・アパート選びのポイントについて説明します。

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そもそも鉄筋造、なんて造りはありませんから・・・

一般の方は「鉄筋造」と間違えることがある、らしい。そんな造りはなくて、鉄骨造と間違えたのか、それとも鉄筋コンクリート造と間違えたのか・・・。

 

建築的な説明を抜きにして、大まかに下記のことが言えます。

  • マンションは、鉄筋コンクリート造あるいは重量鉄骨造
  • アパートは、木造あるいや軽量鉄骨造

 

ザックリと、鉄筋コンクリートは強い。木造あるいは軽量鉄骨造は弱いという認識で間違いではありません。

次はそれらの造りを具体的にみていきましょう。

 

木造、軽量鉄骨造は避けるが無難

結論を先に言うと、

木造や軽量鉄骨造は避けるが無難です。

 

一見きれいな見た目の建物でも、軽量鉄骨や木造があります。

 

軽量鉄骨造とは、その名の通り「軽い鉄」で造られた建物。

軽くて変形しやすいこと、耐震的にバランスが悪い建物も多い。また、軽量鉄骨材の多くが、屑鉄を溶かして精製しており材料自体も少し不安、です。

 

軽量鉄骨とは逆に、重量鉄骨という材料もあります。これは、オフィスビルなどにも使われる「シッカリとした鉄」で、軽量鉄骨より明らかに強い材料です。

また、軽量鉄骨造や木造のアパートは、耐震性の外部審査を受けていません(※耐震性の審査とは、専門的には確認申請および適合性判定といいます)

 

住宅規模の小さな建物は、詳細な構造計算を必要とせず、その審査も省略しても良い、という法律になっているからです。

要するに、住宅は僕たちのような構造設計者が関与しません。だから、「ちゃんと耐震性を満足しているのかな?」と思うわけです。

避けた方が無難な一番の理由です。

 

必ずしも軽量鉄骨造、木造が悪いということではありません。真面目に木造の構造計算をする方もいるし、ハウスメーカーは実物大実験で安全性を検証します。

ただ、現状として真面目に構造計算していないケースもある、というリスクも孕んでいます。

 

耐震的には鉄筋コンクリート造のマンションが優位

で、結局は鉄筋コンクリート造のマンションが耐震的には優位です。理由は2つ。

1つは、マンションのように大規模な建築物は、「構造設計者」という耐震の専門家が計算をするからです。

2つめは、確認申請および適合性判定による耐震性に関する外部審査を受けること。

 

これは丸々、木造や軽量鉄骨造では抜けています。

 

ピロティ形式は避けるが無難

ピロティとは、1階が何もなく2階以上に部屋があるタイプの建物。例えば、1階が駐車場のマンションがソレに該当します。

 

一般の方でも、バランスが悪そう、と感覚でわかると思います。実際に、ピロティ形式はバランスが悪いのです。

これまで起きた震災でもピロティ形式は、いくつか被害を受けています。それから技術的にも進歩したのですが・・・、やっぱり不安です。

構造的に無理をしているからです。

 

1981年以前に設計された建築はダメ、木造なら2000年以前もダメ

1981年に、耐震性に関する法律が大きく変わりました。

この年以前に設計された建物は、住んではダメ。いくら安くてもダメですよ。見た目が綺麗でリフォームしても、耐震性は変わりません。値段と見た目で騙されないように。

 

また、「1981年に竣工」してもダメ。重要なのは、「1981年以降に設計された」ということです。不動産は、一般的に設計年ではなく竣工年を明記しています。

竣工年が1981~1983年はグレーゾーンなので注意してください。

 

また木造の場合、2000年以降に耐震に関わる法律が大きく変わりました。木造アパートなら、2000年以前に設計された物件は住んではダメ。

これも、竣工と設計の違いを明確に理解してください。

 

まとめ

  • 耐震的にはRC造のマンションが優位
  • ピロティ形式は避けるが無難
  • 木造、軽量鉄骨造は避けるが無難
  • 1981年以前に設計された建築はダメ、木造なら2000年以前もダメ

以上、参考になればと思います。

 

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