本の紹介

【書評】建築家と家を建てたい、を読んで

「一生に一度の買い物」を建築家に頼みたい人は案外多い。建築関係のテレビ番組が増えたことが大きな理由かもしれない。例えば、終わった番組だが「劇的ビフォーアフター」も、その現象に火をつけた番組の1つだ。

また、建築家と家を建てる施主側のメリットは、デザイン的に素晴らしい家を建てられる、ことが大きな理由だが、もう1つは「思っている以上に低価格」ということだろう。

 

「建築家=高級」というイメージが実際は低価格だったら誰しも食いつく。その証拠に、建築家が設計した住宅の中には、1000万円台というハウスメーカー顔負けの物まである。

「自分達にも手が届きそう」。そんな理由も相まって、建築家に頼みたい、と考える人たちは確実に増えているのだ。

昔は建築家に依頼することは、お金持ちしか手が届かなかったが、今では普通の人々でも選択肢の1つである。

本書は、そんな建築家に家を建ててもらいたい、と考える人向けの本だ。一体誰に設計を依頼すれば良いのかわからない、僕たちからすれば当たり前なことまで懇切丁寧に書いてある。

 

前半はネットで収集できる情報ばかりだが・・・

内容は僕たちからすれば当たり前、ということばかり。一般の方からすれば懇切丁寧に書いてある、と思う。

ただし、本書の前半はネットで収集できる情報ばかりのように感じた。少し建築に詳しい素人の方なら、本を買っただけのメリットが感じられないと思う。

 

 

後半の、実際の設計例は参考になる。

一方、実際の設計例は参考になる。その事例で僕が感心したのは「ハコの家」だ。ハコの家は、その名の通り四角形の家で、東京の狭小土地に建つ住宅。

元々は、少ない建築費用と狭い土地に対する特殊解だった。狭い土地でいかに安く、快適に過ごすか。これを追求した結論の1つが、ハコの家だという。

 

当初は設計者もハコの家は特殊解だと言っている。だが、ハコの家をみた施主予備軍(これから家を建てたい人)が偶然、雑誌で見たり、建てた人の家を通りかかったりして、設計依頼が殺到したそうだ。

建築は1つ1つ全て違う、というが諸条件が似ていれば同じ答えが導き出されることもある。ハコの家は、「土地が狭い、とにかく安く」という条件を満足したい施主にはぴったりの答えだったわけだ。

 

そんな施主の要望に対する「答え(応え)」の数々が、本書の半分くらいを占めている。「なるほど、そんなこともできるのか」と思いながら読めるだろう。

「ハコの家」のように、あなたが考える諸条件と参考事例の条件が一致したのなら、しめたものだ。

 

建築家と家を建てたいけど、費用面で悩んでいる、建築家と家を建てる実状を知りたい人には良いかもしれない。

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