本の紹介

【書評】作家の支出、を読んで

小説家らしからぬ本を小説家が書いた。TVドラマでも有名な「全てがFになる」の原作者、森さんだ。

有名な作家だが一度も小説を読んだことがない。どんな作家か?良く知らないのだが、本書を読んで驚いた。

結構稼いでいる方なんですね。

 

彼は元々旧帝国大学の助教授だった(建築学科らしい。しかも構造系に近い分野だそう。材料系?)。で、38歳から小説家デビューした遅咲きの作家なのだ。安定を捨て小説家になり、見事、成功する。この辺に、尋常ではないセンスが伺える。

もちろん、いきなり職を捨てて小説家一本ではなかったらしいが、それでも毎月手取り45万円が振り込まれるなら、そっちの方が楽そうだ。老後も手厚いだろうし。

たとえ、Fになる、の印税が6000万振り込まれても、だ。その安定を払いのけて小説家になる、というのは相当な称賛があったか、小説で飯を食いたかったか。

普通、後者の方なんだけど森氏は前者。彼の中には小説家で勝つ戦略のようなものがあったかもしれない。

 

ところで小説家はお金に無頓着、というイメージがあるのだが森氏は真逆。そもそも小説家になった理由も「趣味のお金のため」なんだそう。

普通、お金のために仕事をする者たちが、「成功した」なんて話を聞いたことが無い。大抵、好きなことを仕事にしたから成功できた、とか聞く。でも、森氏は違う。お金のために、夜に出来る仕事を始めた。

 

それが小説を書くことだった。しかも、デビュー作がバカ売れしてしまう。天才ですか。

 

本書を読むと、小説家という仕事にとても夢を感じる。特に金銭的な面で。可能性のある仕事なんだ、と教えてくれる。

文章を書いてご飯を食べていきたい(小説家ではない)僕には声援のようだった。もちろん鵜呑みにはしないし、森氏の例が極稀であることは承知である。

それでも! 勇気づけられる本です。

 

あと小説で食べていきたい人へのアドバイスが書いてあったよ。とにかく数、数、数だそうだ。加えて相当以上に面白いもの。

1冊本を出したくらいでノンビリしてられないってことですね。

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