建築のこと

建築の良さは目地で決まる?外壁と目地の関係性について

街をフラフラと歩いていると沢山の建築物に出会います。そこで一番目に付くのが「外壁」です(建築物を真上から見下ろすと屋根)。

外観を決定づける存在、といってもいいでしょう。ただ外壁に気を使っていない建築物の多いこと・・・(生意気いってすみません)。そう思う理由は、

「目地」です。

目地とは、外壁の間と間を埋めている部分。住宅やマンション、なんでもいいですが外壁を眺めてみます。すると思っている以上に目地が主張しています。もう煩いくらい目地が見える。

建築家は建て主さんと外観をイメージしているハズですが、実物スケールの外壁は目地が主張しすぎて格好悪い。

 

例えば鉄骨造の建物には外壁にALC版を用います。耐火性もあって使い勝手の良い外壁材ですが、ALC版の間にある目地が外観に悪さをしている。

あたかも「とってつけたような、ハリボテ」に見えるのです。ALC版の定幅は600mm。その間ごとに目地を埋めるシーリング材などが埋められます。目地幅は10mm以上でしょうか。

この10mmのラインがとても不自然。

外観は建築家の腕の見せどころだと思いますが、外壁の定幅にデザインを左右されるなんて・・・意匠設計が機能していませんね。日本にはそんな建物が多すぎる、と歩きながら思いました。

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目地を感じさせない工夫とは。

もちろん、目地を感じない建築物もあります。

これは木造住宅の土壁ですが、外壁よりも柱梁の印象を強くすることで目地の存在を弱くします。

 

このマンションもその一例ですかね。縦横のラインが際立っています。これなら、仮に外壁に目地が入っていても気にならない、と思います。

 

そもそも目地がない外壁もある。特例ですがオフィスビルは、外壁にカーテンウオールを使い目地がほとんどありません。

 

こんな石材を外壁につかった建物も。石材は剛性が高いこと、1つのパネルが小さいことから目地幅が小さい。僕がみた石材は7mmくらいの目地幅でしたね。遠目や近く、斜めからみても目地は主張していませんでした。

 

目地を感じない工夫、建築家に学ぶ実例

2つとも安藤作品ですが、けっして回し者ではございません。

お寺です。縦のラインを強調した外観。「目地」ではありませんが、普通の住宅も、逆に目地を強調させればデザインになるだろう、という参考例。

木造らしいプロポーションと外壁の縦材がみていて気持ちいい。

(参考URL By Oiuysdfg – 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0,)

有名な住吉の長屋。うっすらと外壁に目地が見えます。が、1階と2階の境目に1本のラインが強調され、他の目地が全く気になりません。

入口もアクセントになっています。他を強調して目地の存在が薄れている例。

 

目地は無くすか、他を強調するか。

目地は目立ちます。それがデザインを高めるのなら良いですが、全くの逆です。目地を無くなることが一番ですが、機能上仕方ないということも。

ならいっそのこと、他を強調したほうが見栄えがいいかもしれませんね。街歩きをして、そんなことを思いました。

綺麗な建築物をみると、大抵は目地がないか、他を強調している建築ばかり。ALC版の割付ごとに目地が入っていて、それが建築のデザインを左右する、なんて避けたいところです。

 

目地繋がりで、この本はいかが。小説家が書く、建築論が面白いですよ。

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