労働のこと

建築設計の仕事は、労働量を決めるのがとても難しい話

久々に建築設計の労働に関する話題でも。

最近、国が定める残業時間の規定(過労死ライン)が60時間になるとか、ならないとか。そんな噂があります。

日本では自殺者数が交通事故者数よりも多くて、これからもっともっと人口が減るのに、自殺されちゃ困る、といった国の方針かもしれません。

建築設計に残業は憑き物です。まぁ、中には「残業していると思っていない」、建築一筋の方もいます。彼らの存在は置いといて。

建築設計の仕事は労働量を図るのが難しい、という点について考えていきます。

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設計の仕事に終わりはあるのか?

以前、設計に効率という言葉はない、と書きました。

設計業務に『生産性』っていう言葉あるのかな(笑)

設計の終わりは、納期が迫った時なんですわ。

だから、他業界の方からすれば、納期までにさっさと仕事を終わらせろよ、と思うかもしれません。でも、「納期まで時間があるから試行錯誤したい」という考えが、設計の基本理念なんです。

で、来る日も来る日も残業をするわけなんですが。その残業は、本当に必要な残業なのか問われると辛い。

 

例えば、毎日10時まで5時間の残業をしている人がいても、その残業は残業に足るのか?本当に必要な残業だったのか?ということです。

大企業に行くと、「残業申請」が必要です。「僕は今日、このくらいの残業が、この業務に必要です。お願いします。」というもの。

一方、建築は創造性の高い職業ですから、労働量を推し量ろうと思ったとき、「明確に必要でなかった労働時間」も含まれてしまうんですね。

 

月100時間の残業をしていても、実際50時間くらいしか作業していなくて、もう半分はダラダラとネットをみてアイディアを思考したり。そのアイディアを練る時間も「残業」といえば、そうなんですが。

会社としては、受け入れにくいのが現状。

僕が勤めている設計事務所でも、意匠設計部の方は残業時間にお喋りしたり、ご飯を食べたりネットサーフィンしたり。その時間が、よい発想を生み出すかもしれませんが、残業と認められにくい。

 

過労死ライン60時間になって、それを超過すると時間給の150%支払い

なんで上記の話をしているかって、過労死ラインが60時間になったとき、それを超過すると残業代は時間給の150%支払いになるかも。

それが法案として通ったら、今後、中小企業レベルの設計事務所は残業するのも、ままならん状況になるわけです。

残業申請が必要になったり、残業時間を厳しくチェックされます。上司に「君、昨日の残業での成果を教えてくれ」なんて言われるかも。

 

過去の人工は当てになるか?

実は設計事務所でも大手になると、過去の人工を参考に物件の大きさに応じて必要人工が計上されるらしいのです。

でも、上記に示した通り、その人工は納期に思いっきし影響されるわけで。在って無いものだと思っています。

当てにならん、というわけです。

 

工場のライン工や単純な労働、営業などの成果が反映される仕事と違って、設計業務の労働量を決めるのはとても難しい。

ゆえに評価基準も曖昧になるし、良くも悪くも「いくらでも残業ができる環境」なんだなぁと思います。

今回は以上。

それでは。

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