建築士の皆さんお元気でしょうか?年末に近づいてきまして、嫌でも忙しくなる時期になりました。退職まであと1年半年。辞める日が近づいてくると、余計に『長いなぁ』と感じます。
僕はこれまでの5年間、紛いなりにも建築設計のお仕事をしてきました。『紛いなりに』とは、一級建築士を持っていないので、本当の意味では仕事ができていないからです。さて、ここだけの話。これまで受験するチャンスは3回ありましたが、実は、まだ一回も受験したことがありません。もちろん、受験資格は持っているのですが、毎度気乗りしなくて受験拒否。
言い訳すると今年は執筆活動、ライターとしての活動が忙しく、その前年もサイト製作やブログ製作の日々を過ごしておりましたので。もちろん、会社に対しては『いやぁ、落ちちゃいました』と言って、やり過ごしているのですが。
でも、今年は違います。今後、建築業には関与しないつもりですが、辞める前に一級建築士ぐらいとっておこうと思います。なにかと資格を持っている方が得ですし。一級建築士持ちは、建築業界では活きませんが、他業界ではチヤホヤされるかもしれません。
でも『一級建築士になる』、ということは大変な責任も付きます。僕のゆっるい考えで、設計の仕事をするのは危険でしょう。既に一級建築士の方はご存じだと思いますが、建築士は『善管注意義務』を遵守する義務があります。・・・はて?と思われた方、ヤバいです。あなた逮捕されますよ。
『善管注意義務』とは何か?
『善管注意義務』とは、簡単に言えば『しっかり注意して仕事しろよ!』ということです。強めの語調で書いたのは、これが『義務』だからです。建築士は『士』と付くように、国が行う建築士試験を合格した者しか名乗ることができません。誰でもできる仕事ではなく、『建築士』と、国から認められた者だけが、業務を独占できるのです。
業務の独占なんて普通許してくれません。それを許すほど強い効力が建築士にはあります。要するに、重要な仕事なんです。
そのため建築士にミスは許されません。では、建築士は何をしっかり注意するのか?それは設計図書全般。構造設計であれば、構造図、構造計算書。意匠設計者であれば、意匠図全てです。特に、建物の安全性と密接な関係のある『構造設計』は、『注意して当たり前』です。
もし、構造設計者が仕事でミスったら?
意匠設計者が多少ミスったところでクレームが付く程度。大事には至りません。意匠に絡むクレームって、建物の安全性には関係ないですから。一方、構造設計者が多少ミスったら終わり。何が終わりかって?
あなたの人生が終わるのですよ。
比喩ではありません。建築士としての善管注意義務を怠ったのですから。それほど建築士の責任は重いのです。こと、構造設計者には付き纏う重さが半端ではありません。逮捕されたら、あなたの人生どうなりますか?お先真っ暗ですよね?
だから、構造設計者になるべき人材は、適当な者には勤まりません。勤勉で、言われたことをキチッと行い、時計の針みたいに狂わない人。クラスに40人学生が居たら1人くらい居る地味~な学生。そんな人が向いています。
半端な覚悟で構造設計者にならないほうが良いよ。
僕は半端な覚悟で構造設計という仕事を選びました。後悔はしていませんが、思っている以上に、現職への適性がないことが分かりました。学生の皆さんは、改めて自分の適性を理解すると懸命です。
これは提言ですが、設計事務所の多くは入社にSPIを実施しませんよね?意外と、適性検査はやっておくべきかなぁと思います。仕事に必要なことは知識ではなく、適性。学生時代に多くの知識を身に着けても、あまり役に立ちません。それよりも、自分の性格と適性を見極めて仕事を選ぶべきでしょう。
現役構造設計者からの提言でした。