建設業界のこと

メーカーさんとブラック意匠設計者の戦いをみた。

ブラック事務所に勤めていますと、様々なブラックな現場に出会います。ブラック部長、ブラック先輩は、このブログでも登場しますが、今回はブラック意匠設計者の話をしましょうか。

小さな体育館を設計した頃、あるメーカーさんの立体トラスを採用しました。意匠は、なるべく軽やかに体育館を見せたかったようですね。意匠のイメージをメーカーさんへ伝えて、何事もなく打ち合わせは終わりました。そのまま実施設計に移行します。

ところで、ブラック意匠は構造の納まりを一切無視するという特技を持っています。実施設計が始まって『納まらん』というのは良くあることです。で、今回も実施設計がかなり進んだ頃『納まらん』ことが分かりました。

具体的には、ボールジョイント部分です。トラスの接合部はボールジョイントで納めることが、かなり多いです。このボールジョイント径は、立体的に交差するトラス材が当たらない大きさにします、当たり前ですが。

要は、意匠で描いているボールの大きさでは全く納まらないことが分かったのです。メーカーさんが提示したボールの大きさは意匠で想定した大きさよりも2倍ちかく大きくて、『納まらん』というわけです。これを解消するには、トラス材(パイプ)の径を小さくするか、トラスの角度、傾斜を変えるしかありません。

このやり取りを意匠設計者に伝えると『トラスの傾斜も変えられない、ボールジョイントを大きくするのもダメだ』の一点張り。

さぁ、これからどうなるのか?

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ブラック意匠設計者のクソ理論発動。

ダメ、と言われても納まらないものは納まりません。傾斜も変えず、ジョイントも大きくできない中で、どうすれば納まるのかメーカーさんもお手上げの状態でした。とは言っても、設計工期は日々過ぎ去っていきます。

業を煮やした意匠がメーカーさんと直接話がしたい、と言い出します。私も、『それなら話が早い』と思ったので意匠に連絡先を渡しました。僕の予定では、メーカーさんが『出来ません』とはっきり言えば、意匠も分かってくれると思ったのです。

イザとなったら電話を交代するつもりで、近くで話を聞いていました。すると、

意匠 あの件だけど、まあ出来るよね?

メーカー こういう理由があって、納まりません。

意匠 なんで出来ないの?

メーカー トラス材の傾斜等の件~で、納まりません。

意匠 まぁ、出来る出来る。僕には難しいとは思えないんだけど。

メーカー いや、ですから・・・。

意匠 北朝鮮でもロケットを打ち上げる時代に、こんな簡単なこともできんのか!

メーカー ・・・。

と、まぁこんな会話がありました。メーカーさんごめんなさい。北朝鮮でもロケット打ち上げる時代に、というクソロジックを持ち出して、だから出来るでしょ?と言い出すのです。この接合部が納まらない件は、ジョイント部が小さいので部材同士が干渉する、とても原始的な話題です。ロケット云々は全く関係ない話ですね。

しばらくやり取りを聞いていると、どうやら両者とも折れず。私に電話が回ってきました。一言『ヤレと言われても現実できません!』。

はい、ごもっともです。

どうやら、僕がブラック意匠を説得するしかなさそうです。意匠はもう少し構造の知識を身に付けてほしいです。胆力ばかり身に付いて、大きな声で仕事をしている連中は本当に疲れます。

 

なんやかんやあって、多少形状を変更した。

結局、ジョイントをみっともなくない大きさにするまで傾斜を変更しました。本来なら、このスタディは基本設計で行ってもおかしくありません。しかし、ブラック事務所は基本設計期間が1日しかありませんので、無理です。

結局、実施設計期間にしわよせがあって、僕は睡眠時間を削りました。今回の北朝鮮理論のように、意匠は口八丁で出まかせを言います。僕ら構造設計者は口下手なので、言いくるめられることが多いのですが毅然とした対応で臨みたいですね。

それにしても、同じ設計事務所にいる仲間同士の筈なのに、なぜ味方同士で戦いあう必要があるのか・・・。

本っ当に疲れます。

 

老害意匠担当者はクビにしてください。

今回の意匠設計者、実は70歳です。いやぁ凄い、尊敬します(棒)。70歳にもなって働くなんて・・・。ただ、若手を掻き回さないでください。胆力だけで仕事をしないでください。若手はあなたが居るだけで、仕事が進みません。会社がどんよりします。

お願いですから、老害はクビにしてください。

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