労働のこと

僕が体験した図面のチェック体制が整っていない環境と危険性

他事務所さんの話を聞いて一番ギャップを感じることが、『仕事はチームでするよ』ということでした。僕が所属するブラック事務所では、仕事は個人で進めるものなので。

で、仕事の振り方は完全に部長の独断。コイツはまだ余裕がありそうだな、とか一応考えて振っています。ブラック事務所構造設計部の社員構成を説明すると、まず部長が1人います。その下に課長が1人います。で、僕と若手社員の2人です。これで仕事を回しています。

ちなみに、課長は完全に名ばかり課長で、やっていることは平社員の僕と全く同じ。『ソルジャー』です。そのため、構造的な観点から図面をチェックする人が部長のみ。つまり、僕や若手社員は部長のチェックを受けるまで、ノーチェックで完成図まで仕上げることになります。

これ、凄く危険なことですね。なぜって、普通なら担当者がいてチームリーダーがいて、その上に課長、部長がいる。経験未熟な担当者1人で仕事を任せない為に工夫します。

だから、僕が描いた構造図は部長の意図していない方向に進むことがあります。当然、部長から鬼のように怒られ連日徹夜に近い状態で修正を続けるのです。

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限界だなと気が付いた。

入社して1年目は、そういった仕事の進め方に疑問を持ちませんでした。まあ、そういうものかと。でも、6年目になれば『おかしい』ことに気が付きます。

構造設計は安全性に直結する仕事。それなら、社内でよりチェック体制を増やした方がミスを防げるのではないか?

僕は難しいことを言っているわけではありません。

要はチームで仕事をしよう、と言いたいのです。1つの物件に最低3人のチームをつくります。1人は担当者、1人はプロジェクトのリーダー、1人は査図役。そうして仕事を進めれば、例えば符号の付け方や不整合という単純なミスは、部長チェックを受ける前に気が付きます。

1年前、5000平米の物件を1人で担当したことがありました。キャドオペさんもいないので、文字通り1人です。計算も図面も1人で描きました。それは辛かったです。今、仕事を休みがちになっているのも、この物件を担当して病んでしまったから。

部長は仕事を僕に丸投げし、部長の設計方針に基づいて計算します。もちろん、疑問に思う点は質問します。で、ようやく部長にチェックをもらうと・・・、

符号の付け方がおかしい!

この部材の検討はしたか!

経済的じゃない!

と色々、怒られるわけです。符号のつけ方に至っては、構造計画の根本を指摘されていますね。『それはあなたと打ち合わせ済みです』、とは言えず。

ブラック部長は構造的に危うい箇所を指摘しているので、ありがたいのですが、このチェック体制がおかしいと思います。

先に述べたように、間に中堅社員が入るだけで、とてもスムーズに仕事が進むと思うのです。

 

ブラック事務所が困っている中堅社員の存在

ウチのブラック事務所にかかわらず、クソみたいな設計事務所では中堅社員が不足していると思います。彼らは、より待遇が良い新天地へ転職するからです。給料は安いより多いほうがいいわけですから、ブラック事務所に残る道理はありません。

先ほど述べたように、中堅社員は若手と部長クラスの間に入って潤滑油的な効力を発揮します。経験も豊富なので仕事もできるし、若手とも年が近いのでコミュニケーションをとりやすい。

そういった、何でも屋的存在の中堅社員が居ないのはブラック事務所共通の悩みなんですね。

あ、就活生へのヒントですが、逆に中堅社員が定着する会社は良い会社が多いですよ~。

 

負のスパイラルから抜け出せないブラック事務所

ブラック事務所では中堅社員がいません。僕が6年目なので中堅的存在になるのでしょうか。

来年やめますけど。

このように、ある程度経験を積んだとき(5~6年)転職活動を始めるので、中堅社員が定着しません。すると、若手社員に仕事が丸投げ状況になります。で、若手社員は絶望して仕事を辞めたくなります。

また5~6年経ったら事務所を退職して、という負の連鎖。これを断つためには、社長や幹部が認識することです。現状を認識し、どうしたら社員が定着するのか?

そこに注力すべきだと思います。

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